未発売のボードゲームの購入を検討する記事です。今回は2023年発売予定「エイジ・オブ・インベンター(Age of Inventors)」。

画像出典:Maple Pug; Age of Inventors 英語版ルールブック (2022)
★ゲーム内容の確認
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:エイジ・オブ・インベンター/発明家の時代
・作者:Aiollus, Iskios, VantoN
・原題:Age of Inventors
・発売年:2023年(予定)
・出版社(一例): Meeple Pug [1]
・プレイ人数:1~4人
・プレイ時間:60分~
・推奨年齢:14歳以上
・支援金額:通常版49ユーロ、DX版59ユーロ
※2022/10 キックスターター募集終了
[1] Kickstarter: Age of Inventors
[2]Board Game Geek: Age of Inventors (2023)
2)テーマ
・年代:19世紀後半を中心とする発明の黄金期
・場所:世界の各地
・プレイヤーの立場:発明家
・目的:発明を通じ、文明を発展に導くこと。
・行うこと:
・機材をそろえ、必要な資材を集める。
・発明家の協力を得て、発明品を完成する。
3)外観
・絵柄:セピア調の落ち着いた色使い、漫画風の人物画
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1個、個人ボード4個
・木製コマ:約180個
・紙製タイル:約70個
・紙製チップ:約70個
・カード:約50枚
・その他:専用インサート5個、袋1個
・箱サイズ:30×30cm(カタンサイズ)
・共通ボード:60×60cm程度(推定)
・個人ボード:30×15cm程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Meeple Pug、2022年)を参照した情報。
○基本システム
・ワーカープレイスメントとアクション選択の併用。
・共通ボードへのタイル配置(物品の獲得)。
○主要物品
・共通エリア:
・共通ボード:
・地図:発明家・発明品タイルを置く六角マス群。
・トラック:着想、工業、経済、学会。
・売場:機材チップ、実験チップ、発明品タイル、発明家カード。
・イベントカード:毎ラウンド発生するイベント。
・袋:ブレークスルーチップを入れる。
・個人エリア:
・個人ボード:
・実験室:機材チップを置く。
・歯車:現金の所持数を示す。
・スイッチ:アクション実行時にONにする。4個。
・自色ワーカー:アクション実行に使う。4個。
・自色本:タイルの所有権を示す。
・自色マーカー:各トラックの進捗を示す。
・発明家カード:特殊効果を与える。発明家タイルとセット。
・発明品タイル:手札として持つ。
・資源:現金、資材4種
○大まかな手順
1)ラウンド制。最大4ラウンド。
2)着想トラック上位から順に、以下を行う。
①機材チップ1個を、売場から選んで買う。
②チップのあった場所に、自色の順番マーカーを置く。
③チップを個人ボードの実験室に置く。設置ボーナスを得る。
④所有する機材チップすべての効果を得る。
3)順番マーカーが左の人から順に、手番をとる。
①手番では、以下いずれか1個を行う。
a)自色ワーカーをアクションマスに置き、アクションを実行。
b)個人ボードのスイッチをONにして、アクションを実行。
c)パス。以降、このラウンドの手番はこない。
②全員がパスをするまで、何周も繰り返す。
4)以下を行い、次ラウンドへ進む。
①ワーカーをすべて手元に戻す。
②個人ボードのスイッチをすべてOFFにする。
③イベントカードを更新する。
④着想トラックに応じ、収入を得る。
5)以下いずれかを満たしたら、ゲーム終了。
イ)全4ラウンドが終了した。
ロ)共通ボードの地図の空マスがなくなった。
○勝敗
・終了後、勝利点を集計し、点数が高い人が勝ち。
・得点源:各トラック順位、ブレークスルーチップ、実験チップの条件充足。
○アクション
a)ワーカーによるアクション:
イ)機材:個人ボードの機材効果を得る。
ロ)利用:共通ボードのタイルに置き、その効果を得る。
ハ)着想:着想トラックを進める。
ニ)実験:実験チップを買う。
ホ)更新:発明品タイル売場を更新する。
b)スイッチによるアクション:
ヘ)雇用:発明家カードを買う。
ト)特許:発明品タイルを得る。
チ)登場:発明家タイルを置く。
リ)発表:発明品タイルを置く。
○特徴的な要素
・地図上に発明家・発明品タイルを置く。
・発明家:
・ほかの発明家タイルと隣接不可。
・配置後、自色の本コマを置いて所有権を示す。
・配置後、対応する発明家カードが使用可能になる。
・発明家カードの効果:永続、ラウンド1回、など。
・使用時は、所有者に記載コストを払う。
・発明品:
・同色の発明家と隣接して置く。
・配置後、記載物品とトラック進行を得られる。
・以下の要素がある。
・イベントカード:毎ラウンド更新。特別な効果を与える。
・メダル:各トラックで1位の人が持つ。所定資源を万能化。
・リタイヤ:周囲を囲われた発明家タイルは除去される。
・ブレークスルー:発明家をリタイヤさせると得る。終了時得点。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・発明家カードの効果は、文字による説明がある。
・イベントカードの効果は、文字による説明。
・プレイ人数依存:
・1~4人用:人数によらず、同じルールで遊ぶ。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・個人ボードは異なる内容の4種類×各両面。
・発明家カード・発明品チップの初期手札はランダム。
・ランダム要素:
・イベント・発明家カード・発明品タイルの出現順はランダム。
・機材・実験チップの出現順はランダム。
・ブレークスルーチップの引きはランダム。
★考察:「エイジ・オブ・インベンター」の魅力と懸念点
◎魅力を感じた点
・理系テーマ。自動車・電球・X線などなど、実在の発明品が、ベンツ・エジソン・レントゲン等の実在の発明家とセットでゲームに組み込まれている。説明書には発明品の一覧表が付いており、発明の年代や発明者の確認ができる。人類の文明の進歩の様子を知ることができ、とても興味深い。タイルをめくるたびに、子供たちとの会話が弾みそうだ。
・ルール。個人ボードでなく、共通ボードにタイル配置をするシステム。他プレイヤーの置いたタイル効果を使用することもできて、適度なインタラクション(プレイヤー相互の干渉)が期待できる。他プレイヤーの動向にも注意しつつ、待ち時間も集中を切らさずに遊べるだろう。
・物品。歯車やスイッチのついた個人ボード。ワーカー・本・資源・各マーカーはカラフルで多様な形状の木製コマ。見ていて楽しくなる。プレイヤーごとにインサートまで用意されている。とても豪華で、所有欲を存分に満たしてくれそうだ。
◎懸念点
・直接攻撃要素。発明家タイルを囲うと、その発明家をゲームから除外(リタイア)できる。発明家カードの効果も無効になり、かなり強力そうだ。そのほか、他者の現金を奪う、スイッチ(アクション権利)を奪うという効果もある。直接攻撃が嫌いな我が家では、相当な脅威を与える可能性がある。ちょっと不安。
・言語依存。多くのカードの効果説明が、文字による表記。英語版だと、特に子供たちは難儀しそうだ。また、発明者や発明品のタイトルも英語。フレーバーとはいえ、豆知識的な楽しさが損なわれてしまうのは、なんともモッタイナイ。
★判定結果:「エイジ・オブ・インベンター」は買うべきか?
以上を踏まえて、「エイジ・オブ・インベンター」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:ぜひ買いたい。(キックスターターでバック済)
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
なんといっても、発明に主眼を置いたテーマ設定が、興味の中心に刺さりました。ギミック満載の個人ボード、カラフルでにぎやかな物品も嬉しい。やや強めのインタラクションが気になるところですが、むしろ普段と違う良い刺激になるのでは、と期待しています。

画像出典:Maple Pug; Age of Inventors 英語版ルールブック (2022)
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画像出典:Maple Pug; Age of Inventors 英語版ルールブック (2022)
★ゲーム内容の確認
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:エイジ・オブ・インベンター/発明家の時代
・作者:Aiollus, Iskios, VantoN
・原題:Age of Inventors
・発売年:2023年(予定)
・出版社(一例): Meeple Pug [1]
・プレイ人数:1~4人
・プレイ時間:60分~
・推奨年齢:14歳以上
・支援金額:通常版49ユーロ、DX版59ユーロ
※2022/10 キックスターター募集終了
[1] Kickstarter: Age of Inventors
[2]Board Game Geek: Age of Inventors (2023)
2)テーマ
・年代:19世紀後半を中心とする発明の黄金期
・場所:世界の各地
・プレイヤーの立場:発明家
・目的:発明を通じ、文明を発展に導くこと。
・行うこと:
・機材をそろえ、必要な資材を集める。
・発明家の協力を得て、発明品を完成する。
3)外観
・絵柄:セピア調の落ち着いた色使い、漫画風の人物画
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1個、個人ボード4個
・木製コマ:約180個
・紙製タイル:約70個
・紙製チップ:約70個
・カード:約50枚
・その他:専用インサート5個、袋1個
・箱サイズ:30×30cm(カタンサイズ)
・共通ボード:60×60cm程度(推定)
・個人ボード:30×15cm程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Meeple Pug、2022年)を参照した情報。
○基本システム
・ワーカープレイスメントとアクション選択の併用。
・共通ボードへのタイル配置(物品の獲得)。
○主要物品
・共通エリア:
・共通ボード:
・地図:発明家・発明品タイルを置く六角マス群。
・トラック:着想、工業、経済、学会。
・売場:機材チップ、実験チップ、発明品タイル、発明家カード。
・イベントカード:毎ラウンド発生するイベント。
・袋:ブレークスルーチップを入れる。
・個人エリア:
・個人ボード:
・実験室:機材チップを置く。
・歯車:現金の所持数を示す。
・スイッチ:アクション実行時にONにする。4個。
・自色ワーカー:アクション実行に使う。4個。
・自色本:タイルの所有権を示す。
・自色マーカー:各トラックの進捗を示す。
・発明家カード:特殊効果を与える。発明家タイルとセット。
・発明品タイル:手札として持つ。
・資源:現金、資材4種
○大まかな手順
1)ラウンド制。最大4ラウンド。
2)着想トラック上位から順に、以下を行う。
①機材チップ1個を、売場から選んで買う。
②チップのあった場所に、自色の順番マーカーを置く。
③チップを個人ボードの実験室に置く。設置ボーナスを得る。
④所有する機材チップすべての効果を得る。
3)順番マーカーが左の人から順に、手番をとる。
①手番では、以下いずれか1個を行う。
a)自色ワーカーをアクションマスに置き、アクションを実行。
b)個人ボードのスイッチをONにして、アクションを実行。
c)パス。以降、このラウンドの手番はこない。
②全員がパスをするまで、何周も繰り返す。
4)以下を行い、次ラウンドへ進む。
①ワーカーをすべて手元に戻す。
②個人ボードのスイッチをすべてOFFにする。
③イベントカードを更新する。
④着想トラックに応じ、収入を得る。
5)以下いずれかを満たしたら、ゲーム終了。
イ)全4ラウンドが終了した。
ロ)共通ボードの地図の空マスがなくなった。
○勝敗
・終了後、勝利点を集計し、点数が高い人が勝ち。
・得点源:各トラック順位、ブレークスルーチップ、実験チップの条件充足。
○アクション
a)ワーカーによるアクション:
イ)機材:個人ボードの機材効果を得る。
ロ)利用:共通ボードのタイルに置き、その効果を得る。
ハ)着想:着想トラックを進める。
ニ)実験:実験チップを買う。
ホ)更新:発明品タイル売場を更新する。
b)スイッチによるアクション:
ヘ)雇用:発明家カードを買う。
ト)特許:発明品タイルを得る。
チ)登場:発明家タイルを置く。
リ)発表:発明品タイルを置く。
○特徴的な要素
・地図上に発明家・発明品タイルを置く。
・発明家:
・ほかの発明家タイルと隣接不可。
・配置後、自色の本コマを置いて所有権を示す。
・配置後、対応する発明家カードが使用可能になる。
・発明家カードの効果:永続、ラウンド1回、など。
・使用時は、所有者に記載コストを払う。
・発明品:
・同色の発明家と隣接して置く。
・配置後、記載物品とトラック進行を得られる。
・以下の要素がある。
・イベントカード:毎ラウンド更新。特別な効果を与える。
・メダル:各トラックで1位の人が持つ。所定資源を万能化。
・リタイヤ:周囲を囲われた発明家タイルは除去される。
・ブレークスルー:発明家をリタイヤさせると得る。終了時得点。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・発明家カードの効果は、文字による説明がある。
・イベントカードの効果は、文字による説明。
・プレイ人数依存:
・1~4人用:人数によらず、同じルールで遊ぶ。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・個人ボードは異なる内容の4種類×各両面。
・発明家カード・発明品チップの初期手札はランダム。
・ランダム要素:
・イベント・発明家カード・発明品タイルの出現順はランダム。
・機材・実験チップの出現順はランダム。
・ブレークスルーチップの引きはランダム。
★考察:「エイジ・オブ・インベンター」の魅力と懸念点
◎魅力を感じた点
・理系テーマ。自動車・電球・X線などなど、実在の発明品が、ベンツ・エジソン・レントゲン等の実在の発明家とセットでゲームに組み込まれている。説明書には発明品の一覧表が付いており、発明の年代や発明者の確認ができる。人類の文明の進歩の様子を知ることができ、とても興味深い。タイルをめくるたびに、子供たちとの会話が弾みそうだ。
・ルール。個人ボードでなく、共通ボードにタイル配置をするシステム。他プレイヤーの置いたタイル効果を使用することもできて、適度なインタラクション(プレイヤー相互の干渉)が期待できる。他プレイヤーの動向にも注意しつつ、待ち時間も集中を切らさずに遊べるだろう。
・物品。歯車やスイッチのついた個人ボード。ワーカー・本・資源・各マーカーはカラフルで多様な形状の木製コマ。見ていて楽しくなる。プレイヤーごとにインサートまで用意されている。とても豪華で、所有欲を存分に満たしてくれそうだ。
◎懸念点
・直接攻撃要素。発明家タイルを囲うと、その発明家をゲームから除外(リタイア)できる。発明家カードの効果も無効になり、かなり強力そうだ。そのほか、他者の現金を奪う、スイッチ(アクション権利)を奪うという効果もある。直接攻撃が嫌いな我が家では、相当な脅威を与える可能性がある。ちょっと不安。
・言語依存。多くのカードの効果説明が、文字による表記。英語版だと、特に子供たちは難儀しそうだ。また、発明者や発明品のタイトルも英語。フレーバーとはいえ、豆知識的な楽しさが損なわれてしまうのは、なんともモッタイナイ。
★判定結果:「エイジ・オブ・インベンター」は買うべきか?
以上を踏まえて、「エイジ・オブ・インベンター」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:ぜひ買いたい。(キックスターターでバック済)
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
なんといっても、発明に主眼を置いたテーマ設定が、興味の中心に刺さりました。ギミック満載の個人ボード、カラフルでにぎやかな物品も嬉しい。やや強めのインタラクションが気になるところですが、むしろ普段と違う良い刺激になるのでは、と期待しています。

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