本当の勇気とは、引き際を知っていることかもしれない。チキンレースを楽しめるボードゲームを紹介します。
<紹介するゲーム>
・インカの黄金
・海底探検
・セレスティア
・ベア・バレー
★「チキンレース」で、本当の勇気を学ぼう!
高い利益を得るためには、ときにはリスクをとることも必要です。しかし、リスクばかり取るのは、勇気でも冒険でもなく、ただの無謀なのです。実体験を通じて、本当の勇気を学びましょう。というわけで、「チキンレース」系のボードゲーム4件を紹介します。リスクを踏まえつつ、リターンを最大化しようというゲームです。逃げた人にも得点の機会があるので、正確には「チキンレース」という呼称は不適切かもしれません。運の影響が強いことから、海外では「プッシュ・ユア・ラック(Push Your Luck;勢いにのる)」系とも呼ばれるようです。
★インカの黄金
最初はチキンレース系の定番ゲーム「インカの黄金(Incan Gold/Diamant;ダイヤモンド、ディアマンテ)」です。インカの遺跡を舞台に、宝の獲得を競います。2006年、3~8人、約20分、8歳以上。日本語版:アークライト(2019年)、定価3520円[1]。
[1]アークライト:インカの黄金 新版 完全日本語版
https://arclightgames.jp/product/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%81%AE%E9%BB%84%E9%87%91%E6%96%B0%E7%89%88/
洞窟カードを1枚ずつめくることで、洞窟を探検します。カードに宝が出れば、全員で山分けします。次のカードをめくる前に、全員が同時に進むか戻るかを選びます。戻るを選んだ人は、ここまでの宝の入手を確定できます。進むを選んだ人は、さらにカードをめくり、追加の宝を入手できるかもしれません。しかし、カードの中には罠も入っています。同じ絵の罠カードが2枚貯まると、進むを選んだ人は全員、宝を失ってしまいます。これを5ラウンド繰り返して、いちばん多く宝を持っていた人が勝ち。

画像出典:Iello; Diamant 英語版ルールブック(2016)
◎選定のポイント
・シンプル。進むか戻るかを選択するだけ。宝を一番多く集めれば勝ち。きわめて分かりやすい。混じりけのない、純粋な「運試し」を楽しめそうだ。
・プレイ時間。1ゲーム約20分と、手軽に楽しめる。
★海底探検
国産チキンレースといえば「海底探検」。潜水艦から深海の宝を狙うダイバーたちですが、なんと酸素ボンベを共有しているのでした。2014年、2~6人、約30分、8歳以上。日本語版:オインクゲームス(2014年)、定価2420円[2]。
[2]オインクゲームス:海底探検
https://oinkgames.com/ja/games/analog/deep-sea-adventure/
共有の酸素がなくなる前に、宝を取って帰るという設定に、ユーモアを感じます。先に進むほど、宝の価値は高まります。しかし、宝を持つほど、酸素の消費量が増えてしまいます。進める歩数はサイコロに依存するので、確率も考えつつ、行くか戻るか、宝を取るか捨てるか、熟考が必要になります。潜水艦に戻れれば宝を得られますが、途中で酸素が切れれば、手にした宝は海に帰ってしまいます。全3ラウンドで、宝の点数合計が高い人が勝ち。
◎選定のポイント
・戦略性。サイコロ運もあるが、盤面全体が見えるため、戦略性もある。どこまで進んで、どこで宝を取るか。他プレイヤーの動向はどうか。作戦をたてるのが楽しそうだ。
・コンパクト。箱が小さくて、持ち運びが簡単。どこでも遊べるぞ。
★セレスティア
ちょっと複雑性が増すのが「セレスティア(Celestia)」。 飛行船の船長あるいは乗員になって、天空の城に残された宝を獲得します。2015年、2~6人、約30分、8歳以上。日本語版:アークライト(2016年)、定価4180円[3]。
[3]アークライト:セレスティア 完全日本語版
https://arclightgames.jp/product/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2/
毎回やってくる危険を、サイコロを振って決めます。プレイヤーは手札を持っており、使うことで対応する危険を除去できます。危険の除去の前に、飛行船を降りる/降りないを選びます。ただし、1人だけは交代で船長になり、船長は降りることができません。降りれば宝をもらえます。先に進むほど、宝の価値は高まりますが危険も増します。危険を除去できなかったら、何も得られません。誰かが50点を集めたら、ゲーム終了。

画像出典:Blam!; Celestia 英語版ルールブック(v1.2.4)
◎選定のポイント
・カード。危険を決めるサイコロ運にプラスして、カードの引き運が加わる。カードは、船長・乗員とも出せるので、時には相談して協力したり、自分だけ得をしたり、にぎやかに楽しめそうだ。
・物品。船は立体模型。進むタイルやカードには、空想科学絵本風の、雰囲気のあるイラストがある。天空の島を進む世界を楽しみながら遊べそうだ。
★ベアバレー
最後は、ややマイナーなタイトル「ベア・バレー(Bear Valley;ベア・ヴァレー)」です。クマが出る森を進んで、うまく目的地まで辿りつくのが目的。2016年、2~6人、15~30分、8歳以上。日本語版は確認できず。日本語説明書付き商品は存在するらしい。実売3500円程度。
カードをヘックス状に並べて、森を構成します。道に沿ってであれば、いくらでもコマを進められます。道がなければカードをめくり、道がつながるように置きます。ただし、途中でクマが出たり、道がつながらなかったりしたら、もとの場所に戻らなければなりません。クマが出る前に止まる宣言をすれば、その場所まで進めます。これを繰り返して、最初にゴールに着いた人が勝ち。プレイヤー別能力など、多様な応用ルールがあり、大幅に複雑性を増せます。

◎選定のポイント
・カードで作る道。道なき道を探検していく雰囲気を楽しめそう。カードをめくってクマが出たときは、かなりドッキリしそうだ。
★まとめ:ドキドキ・ワクワク、チキンレース
チキンレースゲーム4点を紹介しました。以下、まとめです。
◎インカの黄金
とにかくシンプル。チキンレースに全集中だ!
シンプルすぎて、たぶん2人ではゲームにならない。
→購入見送り。
◎海底探検
コンパクト設計で、運と戦略のバランスが試される!
戻ることまで考えるのは、重すぎるプレイ感かも。
→購入見送り。
◎セレスティア
多彩なカードで、困難を乗り切る船長になりきろう。
雰囲気良し。持ち回り船長で精神的負担を軽減できる。
→継続検討対象。
◎ベア・バレー
クマが出た!「ラーーー!(ガオー!)」
ルールがちょっと煩雑すぎる気が。
→購入見送り。
個人的には、雰囲気が良く、船長を持ち回りというルールの「セレスティア」が気になりました。
進むたびに成果が増えていくワクワク感と、失敗すればすべてを失うドキドキ感。その両方を味わえるのが、この種のゲームの魅力です。大人数(6人)で遊べることと、比較的安価なことも、嬉しいポイントです。
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・インカの黄金
・海底探検
・セレスティア
・ベア・バレー
★「チキンレース」で、本当の勇気を学ぼう!
高い利益を得るためには、ときにはリスクをとることも必要です。しかし、リスクばかり取るのは、勇気でも冒険でもなく、ただの無謀なのです。実体験を通じて、本当の勇気を学びましょう。というわけで、「チキンレース」系のボードゲーム4件を紹介します。リスクを踏まえつつ、リターンを最大化しようというゲームです。逃げた人にも得点の機会があるので、正確には「チキンレース」という呼称は不適切かもしれません。運の影響が強いことから、海外では「プッシュ・ユア・ラック(Push Your Luck;勢いにのる)」系とも呼ばれるようです。
★インカの黄金
最初はチキンレース系の定番ゲーム「インカの黄金(Incan Gold/Diamant;ダイヤモンド、ディアマンテ)」です。インカの遺跡を舞台に、宝の獲得を競います。2006年、3~8人、約20分、8歳以上。日本語版:アークライト(2019年)、定価3520円[1]。
[1]アークライト:インカの黄金 新版 完全日本語版
https://arclightgames.jp/product/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%81%AE%E9%BB%84%E9%87%91%E6%96%B0%E7%89%88/
洞窟カードを1枚ずつめくることで、洞窟を探検します。カードに宝が出れば、全員で山分けします。次のカードをめくる前に、全員が同時に進むか戻るかを選びます。戻るを選んだ人は、ここまでの宝の入手を確定できます。進むを選んだ人は、さらにカードをめくり、追加の宝を入手できるかもしれません。しかし、カードの中には罠も入っています。同じ絵の罠カードが2枚貯まると、進むを選んだ人は全員、宝を失ってしまいます。これを5ラウンド繰り返して、いちばん多く宝を持っていた人が勝ち。

画像出典:Iello; Diamant 英語版ルールブック(2016)
◎選定のポイント
・シンプル。進むか戻るかを選択するだけ。宝を一番多く集めれば勝ち。きわめて分かりやすい。混じりけのない、純粋な「運試し」を楽しめそうだ。
・プレイ時間。1ゲーム約20分と、手軽に楽しめる。
★海底探検
国産チキンレースといえば「海底探検」。潜水艦から深海の宝を狙うダイバーたちですが、なんと酸素ボンベを共有しているのでした。2014年、2~6人、約30分、8歳以上。日本語版:オインクゲームス(2014年)、定価2420円[2]。
[2]オインクゲームス:海底探検
https://oinkgames.com/ja/games/analog/deep-sea-adventure/
共有の酸素がなくなる前に、宝を取って帰るという設定に、ユーモアを感じます。先に進むほど、宝の価値は高まります。しかし、宝を持つほど、酸素の消費量が増えてしまいます。進める歩数はサイコロに依存するので、確率も考えつつ、行くか戻るか、宝を取るか捨てるか、熟考が必要になります。潜水艦に戻れれば宝を得られますが、途中で酸素が切れれば、手にした宝は海に帰ってしまいます。全3ラウンドで、宝の点数合計が高い人が勝ち。
◎選定のポイント
・戦略性。サイコロ運もあるが、盤面全体が見えるため、戦略性もある。どこまで進んで、どこで宝を取るか。他プレイヤーの動向はどうか。作戦をたてるのが楽しそうだ。
・コンパクト。箱が小さくて、持ち運びが簡単。どこでも遊べるぞ。
★セレスティア
ちょっと複雑性が増すのが「セレスティア(Celestia)」。 飛行船の船長あるいは乗員になって、天空の城に残された宝を獲得します。2015年、2~6人、約30分、8歳以上。日本語版:アークライト(2016年)、定価4180円[3]。
[3]アークライト:セレスティア 完全日本語版
https://arclightgames.jp/product/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2/
毎回やってくる危険を、サイコロを振って決めます。プレイヤーは手札を持っており、使うことで対応する危険を除去できます。危険の除去の前に、飛行船を降りる/降りないを選びます。ただし、1人だけは交代で船長になり、船長は降りることができません。降りれば宝をもらえます。先に進むほど、宝の価値は高まりますが危険も増します。危険を除去できなかったら、何も得られません。誰かが50点を集めたら、ゲーム終了。

画像出典:Blam!; Celestia 英語版ルールブック(v1.2.4)
◎選定のポイント
・カード。危険を決めるサイコロ運にプラスして、カードの引き運が加わる。カードは、船長・乗員とも出せるので、時には相談して協力したり、自分だけ得をしたり、にぎやかに楽しめそうだ。
・物品。船は立体模型。進むタイルやカードには、空想科学絵本風の、雰囲気のあるイラストがある。天空の島を進む世界を楽しみながら遊べそうだ。
★ベアバレー
最後は、ややマイナーなタイトル「ベア・バレー(Bear Valley;ベア・ヴァレー)」です。クマが出る森を進んで、うまく目的地まで辿りつくのが目的。2016年、2~6人、15~30分、8歳以上。日本語版は確認できず。日本語説明書付き商品は存在するらしい。実売3500円程度。
カードをヘックス状に並べて、森を構成します。道に沿ってであれば、いくらでもコマを進められます。道がなければカードをめくり、道がつながるように置きます。ただし、途中でクマが出たり、道がつながらなかったりしたら、もとの場所に戻らなければなりません。クマが出る前に止まる宣言をすれば、その場所まで進めます。これを繰り返して、最初にゴールに着いた人が勝ち。プレイヤー別能力など、多様な応用ルールがあり、大幅に複雑性を増せます。

◎選定のポイント
・カードで作る道。道なき道を探検していく雰囲気を楽しめそう。カードをめくってクマが出たときは、かなりドッキリしそうだ。
★まとめ:ドキドキ・ワクワク、チキンレース
チキンレースゲーム4点を紹介しました。以下、まとめです。
◎インカの黄金
とにかくシンプル。チキンレースに全集中だ!
シンプルすぎて、たぶん2人ではゲームにならない。
→購入見送り。
◎海底探検
コンパクト設計で、運と戦略のバランスが試される!
戻ることまで考えるのは、重すぎるプレイ感かも。
→購入見送り。
◎セレスティア
多彩なカードで、困難を乗り切る船長になりきろう。
雰囲気良し。持ち回り船長で精神的負担を軽減できる。
→継続検討対象。
◎ベア・バレー
クマが出た!「ラーーー!(ガオー!)」
ルールがちょっと煩雑すぎる気が。
→購入見送り。
個人的には、雰囲気が良く、船長を持ち回りというルールの「セレスティア」が気になりました。
進むたびに成果が増えていくワクワク感と、失敗すればすべてを失うドキドキ感。その両方を味わえるのが、この種のゲームの魅力です。大人数(6人)で遊べることと、比較的安価なことも、嬉しいポイントです。
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