ボードゲームの購入を検討する記事です。今回は「ニア&ファー(Near and Far)」。

画像出典:Red Raven Games; Near and Far Rule Book 英語版 (2017)
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘11歳、長男8歳、次男5歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「ニア&ファー(Near and Far)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:ニア&ファー/ニア・アンド・ファー
・作者:Ryan Laukat
・原題:Near and Far
・発売年:2017年
・出版社(一例): Red Raven Games [1]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:90分
・推奨年齢:13歳以上
[1] Red Raven Games: Near and Far
2)テーマ
・年代:不思議な世界
・場所:荒野の町と周辺
・プレイヤーの立場:冒険者
・目的:伝説の遺跡を見つけること。
・行うこと:
・荒野を旅して、手がかりを集める。
・旅の仲間を集め、能力を増す。
・敵と戦い、アイテムや宝を手に入れる。
・ライバルと戦い、名声を高める。
3)外観
・絵柄:明るい色図解。ほのぼのとした人物や建物の絵。
・コンポーネント:
・ゲームブック:ストーリー1冊、地図1冊
・ボード:共通ボード1個、個人ボード4個
・カード:キャラクター・アイテム・イベントなど 約220枚
・木製コマ:テントなど 約80個
・プラ製コマ:宝石など 約30個
・紙製タイル:仲間など 約40個
・紙製チップ:資源・現金など 約120個
・その他: 袋1個、サイコロ4個
・箱サイズ:30×30cm(カタンサイズ)
・地図ブック:見開き60×25cm程度(推定)
・個人ボード:30×20cm程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Red Raven Games、2017年)を参照した情報。
※ゲームには、以下のモードがある。ここでは、導入モードの内容のみ扱う。
1)導入:最初のマップ・最小限の要素
2)アーケード:任意マップでの単発ゲーム
3)キャンペーン:全マップを通す連続ゲーム
4)キャラクター:キャラクター別のストーリー
○基本システム
・ワーカープレイスメント(アクションマスの早取り)
・地図上のコマ移動(停止コマのイベント解決)
○大まかな手順
1)ラウンド制。終了条件を満たすまで続ける。
2)開始プレイヤーから、時計回りに手番をとる。
3)手番では、以下いずれかを行う。
A)町アクション
B)冒険アクション
4)誰かのテントが尽きたラウンドで、ゲーム終了。
○勝敗
・終了後、勝利点を集計し、点数が高い人が勝ち。得点源には、以下がある。
・テント:置いたテント数、配置先。
・物品:発動したアイテム、倒した敵、宝、宝石など。
・名声:名声トラックの進捗。
○アクション
A:町アクション…ワーカープレイスメント方式
a)ホール:物品を交換/名声を増減する。
b)酒場:仲間を取得する。
c)小屋:運搬鳥を買う。
d)商店:現金/アイテムを得る。
e)農場:食料を得る。
f)神社:宝を得る。
g)鉱山:現金・宝石を得る。
B:冒険アクション…地図を移動し、停止マスにしたがう
h)敵襲:敵と戦闘する。
i)宝:宝を得る。
j)冒険:ストーリーブックのイベントを行う。
○特徴的な要素
・町では、ワーカープレイスメント方式でアクションを選ぶ。
・他プレイヤーがいる場合、決闘になる。
・決闘はサイコロ出目+能力値が大きいほうが勝ち。
・決闘で勝つと、名声が増減する。アクション実行できる。
・決闘で負けると、そのアクションはできない。
・旅で特定マスにつくと、ストーリーイベントが発生する。
・左隣の人が、ストーリーブックの対応番号を読む。
・選択肢と必要値までを読み、獲得物は読まない。
・プレイヤーは選択肢を選ぶ。サイコロ値で成否判定する。
・成功すれば、書かれた獲得物を受け取る。
・成否判定時、仲間やアイテムの能力で加点できる。
・仲間やアイテムの能力には、以下がある。
・技術:スキル判定でのサイコロ出目を加点する。
・戦闘:戦闘判定でのサイコロ出目を加点する。
・移動:マップでの移動量を増やす。
・警戒:敵襲を回避する。
・探索:現金や宝石の獲得数を増やす。
・体力:体力の上限を増す。
・以下の要素がある。
・テント:地図に置くとボーナス獲得。
・体力 :特定アクションやイベントで消費する。
・運搬鳥:移動歩数・宝の所持上限を増やす。
・アイテム:コストを払い効果発動するカード。
・部族長:部族チップを集めて獲得。終了時得点。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・ストーリーブックは、文章を読んで、選択肢を選ぶ。
・プレイ人数依存:
・2~4人用:人数に応じて、一部物品の数を調整する。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・毎回、地図ブックから任意のマップを選んで遊ぶ。
・アイテムカードの初期手札は、ランダム。
・ランダム要素:
・仲間・宝・アイテムカードの出現順はランダム。
・バリエーション:以下の遊び方がある。
1)導入:最初のマップ・最小限の要素
2)アーケード:任意マップでの単発ゲーム
3)キャンペーン:全マップを通す連続ゲーム
4)キャラクター:キャラクター別のストーリー
6)入手性
・日本語版:アークライトから発売されている[5]。定価8910円。
・国内アマゾンで普通に購入できる。実売約8800円。
※2022/8現在の状況。
[5]アークライトゲームス:ニア&ファー 完全日本語版
★考察:「ニア&ファー」の魅力と懸念点
「アバブ&ビロウ」の姉妹編。明るいイラストと、ゲームブックを使った冒険が楽しそうで、目を引きました。
◎魅力を感じた点
・物品。全11面がある地図と、大型のゲームブックが付属するのが魅力的。毎回異なるマップで、異なるストーリーの冒険に出かけるのが楽しみだ。ほんわかとした仲間たちの絵柄も、見ていてほのぼのとする。明るい色使いも素敵だ。
・ルール。村人をワーカーとして割り当て、アクションを実行するというのが分かりやすい。サイコロを使うので運要素が加わり、戦略と偶然性のバランスがよさそう。子供たちといっしょに、互角に遊べそうだ。
・ゲームのバリエーション。11面を通すキャンペーンモードや、キャラクターを固定して遊ぶキャラクターモードなど、ストーリーを追っていく楽しみがありそうだ。
◎懸念点
・言語依存。ストーリーブックがキモだが、漢字混じりで、文字も小さい。大人は老眼で厳しく、子供(長男8歳、次男5歳)は文字が読めない。選択結果を隠すため、「隣の人が読む」ことが必要とされる。子供たちと遊ぶ場合、じゅうぶんに楽しめないのでは。
・キャンペーン。地図を変えて繰り返し遊ぶものの、レガシーではなく、物品には大きな変化がない。単にストーリーを追うだけでは刺激が少なく、途中で飽きてしまうのでは。
★判定結果:「ニア&ファー」は買うべきか?
以上を踏まえて、「ニア&ファー」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
ゲームブックを使った冒険が魅力的。ただ、キャンペーン主体のゲームシステムなので、途中で飽きると残念な結果になる懸念があります。どちらかといえば「アバブ&ビロウ」を購入候補にしたいと感じました。
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画像出典:Red Raven Games; Near and Far Rule Book 英語版 (2017)
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘11歳、長男8歳、次男5歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「ニア&ファー(Near and Far)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:ニア&ファー/ニア・アンド・ファー
・作者:Ryan Laukat
・原題:Near and Far
・発売年:2017年
・出版社(一例): Red Raven Games [1]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:90分
・推奨年齢:13歳以上
[1] Red Raven Games: Near and Far
2)テーマ
・年代:不思議な世界
・場所:荒野の町と周辺
・プレイヤーの立場:冒険者
・目的:伝説の遺跡を見つけること。
・行うこと:
・荒野を旅して、手がかりを集める。
・旅の仲間を集め、能力を増す。
・敵と戦い、アイテムや宝を手に入れる。
・ライバルと戦い、名声を高める。
3)外観
・絵柄:明るい色図解。ほのぼのとした人物や建物の絵。
・コンポーネント:
・ゲームブック:ストーリー1冊、地図1冊
・ボード:共通ボード1個、個人ボード4個
・カード:キャラクター・アイテム・イベントなど 約220枚
・木製コマ:テントなど 約80個
・プラ製コマ:宝石など 約30個
・紙製タイル:仲間など 約40個
・紙製チップ:資源・現金など 約120個
・その他: 袋1個、サイコロ4個
・箱サイズ:30×30cm(カタンサイズ)
・地図ブック:見開き60×25cm程度(推定)
・個人ボード:30×20cm程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Red Raven Games、2017年)を参照した情報。
※ゲームには、以下のモードがある。ここでは、導入モードの内容のみ扱う。
1)導入:最初のマップ・最小限の要素
2)アーケード:任意マップでの単発ゲーム
3)キャンペーン:全マップを通す連続ゲーム
4)キャラクター:キャラクター別のストーリー
○基本システム
・ワーカープレイスメント(アクションマスの早取り)
・地図上のコマ移動(停止コマのイベント解決)
○大まかな手順
1)ラウンド制。終了条件を満たすまで続ける。
2)開始プレイヤーから、時計回りに手番をとる。
3)手番では、以下いずれかを行う。
A)町アクション
B)冒険アクション
4)誰かのテントが尽きたラウンドで、ゲーム終了。
○勝敗
・終了後、勝利点を集計し、点数が高い人が勝ち。得点源には、以下がある。
・テント:置いたテント数、配置先。
・物品:発動したアイテム、倒した敵、宝、宝石など。
・名声:名声トラックの進捗。
○アクション
A:町アクション…ワーカープレイスメント方式
a)ホール:物品を交換/名声を増減する。
b)酒場:仲間を取得する。
c)小屋:運搬鳥を買う。
d)商店:現金/アイテムを得る。
e)農場:食料を得る。
f)神社:宝を得る。
g)鉱山:現金・宝石を得る。
B:冒険アクション…地図を移動し、停止マスにしたがう
h)敵襲:敵と戦闘する。
i)宝:宝を得る。
j)冒険:ストーリーブックのイベントを行う。
○特徴的な要素
・町では、ワーカープレイスメント方式でアクションを選ぶ。
・他プレイヤーがいる場合、決闘になる。
・決闘はサイコロ出目+能力値が大きいほうが勝ち。
・決闘で勝つと、名声が増減する。アクション実行できる。
・決闘で負けると、そのアクションはできない。
・旅で特定マスにつくと、ストーリーイベントが発生する。
・左隣の人が、ストーリーブックの対応番号を読む。
・選択肢と必要値までを読み、獲得物は読まない。
・プレイヤーは選択肢を選ぶ。サイコロ値で成否判定する。
・成功すれば、書かれた獲得物を受け取る。
・成否判定時、仲間やアイテムの能力で加点できる。
・仲間やアイテムの能力には、以下がある。
・技術:スキル判定でのサイコロ出目を加点する。
・戦闘:戦闘判定でのサイコロ出目を加点する。
・移動:マップでの移動量を増やす。
・警戒:敵襲を回避する。
・探索:現金や宝石の獲得数を増やす。
・体力:体力の上限を増す。
・以下の要素がある。
・テント:地図に置くとボーナス獲得。
・体力 :特定アクションやイベントで消費する。
・運搬鳥:移動歩数・宝の所持上限を増やす。
・アイテム:コストを払い効果発動するカード。
・部族長:部族チップを集めて獲得。終了時得点。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・ストーリーブックは、文章を読んで、選択肢を選ぶ。
・プレイ人数依存:
・2~4人用:人数に応じて、一部物品の数を調整する。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・毎回、地図ブックから任意のマップを選んで遊ぶ。
・アイテムカードの初期手札は、ランダム。
・ランダム要素:
・仲間・宝・アイテムカードの出現順はランダム。
・バリエーション:以下の遊び方がある。
1)導入:最初のマップ・最小限の要素
2)アーケード:任意マップでの単発ゲーム
3)キャンペーン:全マップを通す連続ゲーム
4)キャラクター:キャラクター別のストーリー
6)入手性
・日本語版:アークライトから発売されている[5]。定価8910円。
・国内アマゾンで普通に購入できる。実売約8800円。
※2022/8現在の状況。
[5]アークライトゲームス:ニア&ファー 完全日本語版
★考察:「ニア&ファー」の魅力と懸念点
「アバブ&ビロウ」の姉妹編。明るいイラストと、ゲームブックを使った冒険が楽しそうで、目を引きました。
◎魅力を感じた点
・物品。全11面がある地図と、大型のゲームブックが付属するのが魅力的。毎回異なるマップで、異なるストーリーの冒険に出かけるのが楽しみだ。ほんわかとした仲間たちの絵柄も、見ていてほのぼのとする。明るい色使いも素敵だ。
・ルール。村人をワーカーとして割り当て、アクションを実行するというのが分かりやすい。サイコロを使うので運要素が加わり、戦略と偶然性のバランスがよさそう。子供たちといっしょに、互角に遊べそうだ。
・ゲームのバリエーション。11面を通すキャンペーンモードや、キャラクターを固定して遊ぶキャラクターモードなど、ストーリーを追っていく楽しみがありそうだ。
◎懸念点
・言語依存。ストーリーブックがキモだが、漢字混じりで、文字も小さい。大人は老眼で厳しく、子供(長男8歳、次男5歳)は文字が読めない。選択結果を隠すため、「隣の人が読む」ことが必要とされる。子供たちと遊ぶ場合、じゅうぶんに楽しめないのでは。
・キャンペーン。地図を変えて繰り返し遊ぶものの、レガシーではなく、物品には大きな変化がない。単にストーリーを追うだけでは刺激が少なく、途中で飽きてしまうのでは。
★判定結果:「ニア&ファー」は買うべきか?
以上を踏まえて、「ニア&ファー」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
ゲームブックを使った冒険が魅力的。ただ、キャンペーン主体のゲームシステムなので、途中で飽きると残念な結果になる懸念があります。どちらかといえば「アバブ&ビロウ」を購入候補にしたいと感じました。
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