ボードゲームの購入を検討する記事です。今回は「アマルフィ(Amalfi)」。

出典:uchibakoya / Takeo Yamada, Amalfi 説明書 第2版 (2020)
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘11歳、長男8歳、次男5歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「アマルフィ(Amalfi)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:アマルフィ
・作者:takewatch / Takeo Yamada
・原題:Amalfi
・発売年:2020年
・出版社(一例): uchibacoya [1]
・プレイ人数:1~4人
・プレイ時間:90~120分
・推奨年齢:12歳以上
[1] うちばこや: ボードゲーム - 001 | Amalfi
2)テーマ
・年代:15世紀・中世~ルネサンス期
・場所:地中海・海運都市アマルフィ
・プレイヤーの立場:商人
・目的:アマルフィの町の文化を高め、発展させること。
・行うこと:
・船団を大きくして、資源を集める。
・海を開拓し、植民地と交易先を増やす。
・有力な人物を支援し、影響力を増す。
3)外観
・絵柄:落ち着いた色づかい。絵画的な人物・物品イラスト。
・コンポーネント:
・ボード:共通ボード1個、個人ボード8個
・木製コマ:船・植民地ほか 約100個
・カード:人物・契約など 約150枚
・箱サイズ:27×20cm(カカオサイズ)
・共通ボード:50×25cm程度(推定)
4)ルール
以下、日本語版マニュアル(uchibacoya、2020年)を参照した情報。
○基本システム
・アクション選択(ワーカープレイスメント、カードプレイ)
・個人エリアへのカード収集(効果の累積)
○大まかな手順
1)ラウンド制。全4ラウンド。
2)開始プレイヤーから、時計回りに手番をとる。
3)手番では、アクション1個を実行するか、パスをする。
4)全員がパスをしたら、ラウンド終了。以下を行う。
①食料の収入・消費を行う。
②決算カードの条件で、勝利点を得る。
③各カードを更新する。
④各人の船コマを手元に戻す。
⑤開始プレイヤーを左に移し、次ラウンドに進む。
5)4ラウンドを終了したら、ゲーム終了。
○勝敗
・勝利点が高い人が勝ち。得点源には、以下がある。
1)ゲーム中:称号カード、各種ボーナス
2)ゲーム後:植民地、海図・契約カード、人物カード
○アクション
a)ワーカー:アクションスペースに自色船コマを配置し、実行。
・資源の取得
・植民地の獲得 など
b)購入:海図カードまたは契約カード1枚を買う。
c)造船:自分の船コマを増やす。
d)人物:手札の人物カードをプレイし、効果発動する。
e)効果:ラウンド1回効果の人物カードを使う。
f)パス:パスをする。このラウンドは、以降は参加できない。
○特徴的な要素
・船コマを、ワーカーと資源の両方として使う。
・ワカプレ:共通ボードまたは海図カードのアクション実行。
・資源:資源獲得したら、個人ボードの対応マスに置く。
・アクション実行に使ったのとは別の船コマを置く。
・資源消費のときは、船コマを除く。
・資源ごとに、所定のポイント数を得る。
・ポイントを使って、物品を購入できる。
・物品ごとに、資源の種類が指定されている。
・余ったポイントは、食料になる。
・以下の要素がある。
・食料:個人ボードのコマの位置で数を表示。
・植民地:食料の収入と所持上限を増やす。
・決算:毎ラウンド後、条件によるボーナス点。
・称号:目標達成による得点。早取り。
・契約:終了時得点。
・海図:個人用アクションスペース。
・人物:開始時に配布。コストを払い発動。即時/永続効果。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・人物カードの効果は、言語による説明で、文章量が多い。
・その他は、アイコン主体で言語が補助の記載。
・プレイ人数依存:
・2~4人用:人数に応じ、アクションスペースの数を調整。
・1人用:ソロルールで遊ぶ。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・決算・称号カードは、毎回ランダムに選んで使う。
・人物カードは、毎回ランダムに配布する。
・ランダム要素:
・契約・海図・人物カードの出現順はランダム。
・上級ルール:
・開始時の人物カードの配り方のバリエーションがある。
6)入手性
・日本語版ウチバコヤから発売されている[5]。定価7400円。
・ウチバコヤ通販サイトで、普通に入手可能。送料850円。
・国内アマゾンでは取扱いなし。
※2022/7現在の状況。
[5] うちばこや: ボードゲーム - 001 | Amalfi
(参考サイト)
基本情報、ユーザーのレビューなどの情報源として、例えば、以下を参考にしました。
[2]ボドゲーマ:アクアガーデン
※該当ページなし。
[3]Board Game Geek: Amalfi (2020)
https://boardgamegeek.com/boardgame/298130/amalfi
[4]さたもと:Amalfi アマルフィ
https://note.com/satamoto/n/nf76fab89e993
★考察:「アマルフィ」の魅力と懸念点
以前の記事「アクアガーデン」と同じメーカーの商品です。こちらも、美しい木製コマなので、内容を確認しました。
◎魅力を感じた点
・コマ。プリントが美しい。後半、船コマが大量に増えると、満足感・達成感がありそうだ。
・拡大再生産。各方面のレビューを読むと、カツカツではなく、緩めのゲーム感らしい。後半になると大量のワーカーとカードを使って、思う存分、拡大再生産の結果を楽しめそうだ。ストレスをためず、気持ちよくプレイできそうだ。
・日本語ルールブックが公開されている。これは嬉しい! ルールを読まないと、楽しいかどうか分からない。たいていのゲームは英語ルールを読むことになるが、日本語なら、読むのがとってもラクちんだ。
◎懸念点
・植民地。国産ゲームらしいのだが、何故に植民地? 西欧の実際に歴史を経験した国々とは、言葉の重みが違うのではないか。当方は、植民地と奴隷制に、強く反発します(「プエルトリコの失敗」を忘れるな)。もし安直に言葉を選んでしまったのなら、とても残念に感じる。
・脳内演算。船コマを資源として扱うのだが、資源を使うときは、いったん数字に変換して、その数字で買い物をするというルール。まるで複数カードのマークをコストとして払う、デッキビルディング・ゲームのようだ。頭の中でポイントを数えるのは、直感的でなく、苦手だ。我が家(短期記憶が劣化した中年と、まだまだ勉強中の小さい子供の集まり)の演算能力では、間違いが頻発しそうで、スムーズに遊べないと思う。
・カードプレイ。船コマをワーカーかつ資源に使う、というルールが特徴的。なのだが、称号・海図・契約・人物など、カード要素が多すぎるように感じる。特に人物カード・海図カードは、個人エリアに累積し、かなりの存在感がある。テラフォーミング・マーズ的な、タブロービルディング方式は苦手だ。ワーカーに使うべきか、資源として確保すべきか、というような二者択一的なジレンマに期待していたのだが、ちょっと違うゲームだったようだ。人物カードの言語依存も、我が家では大問題(長男8歳・次男5歳は、まだ漢字が読めない)。
★判定結果:「アマルフィ」は買うべきか?
以上を踏まえて、「アマルフィ」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
かわいらしいコマが魅力的です。ただ、頭の中でコスト計算する煩雑ルールで、スムーズに遊べない懸念があります。そして「植民地」は、個人的に絶対NGのテーマです。残念ながら、楽しめそうにありません。
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出典:uchibakoya / Takeo Yamada, Amalfi 説明書 第2版 (2020)
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘11歳、長男8歳、次男5歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「アマルフィ(Amalfi)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:アマルフィ
・作者:takewatch / Takeo Yamada
・原題:Amalfi
・発売年:2020年
・出版社(一例): uchibacoya [1]
・プレイ人数:1~4人
・プレイ時間:90~120分
・推奨年齢:12歳以上
[1] うちばこや: ボードゲーム - 001 | Amalfi
2)テーマ
・年代:15世紀・中世~ルネサンス期
・場所:地中海・海運都市アマルフィ
・プレイヤーの立場:商人
・目的:アマルフィの町の文化を高め、発展させること。
・行うこと:
・船団を大きくして、資源を集める。
・海を開拓し、植民地と交易先を増やす。
・有力な人物を支援し、影響力を増す。
3)外観
・絵柄:落ち着いた色づかい。絵画的な人物・物品イラスト。
・コンポーネント:
・ボード:共通ボード1個、個人ボード8個
・木製コマ:船・植民地ほか 約100個
・カード:人物・契約など 約150枚
・箱サイズ:27×20cm(カカオサイズ)
・共通ボード:50×25cm程度(推定)
4)ルール
以下、日本語版マニュアル(uchibacoya、2020年)を参照した情報。
○基本システム
・アクション選択(ワーカープレイスメント、カードプレイ)
・個人エリアへのカード収集(効果の累積)
○大まかな手順
1)ラウンド制。全4ラウンド。
2)開始プレイヤーから、時計回りに手番をとる。
3)手番では、アクション1個を実行するか、パスをする。
4)全員がパスをしたら、ラウンド終了。以下を行う。
①食料の収入・消費を行う。
②決算カードの条件で、勝利点を得る。
③各カードを更新する。
④各人の船コマを手元に戻す。
⑤開始プレイヤーを左に移し、次ラウンドに進む。
5)4ラウンドを終了したら、ゲーム終了。
○勝敗
・勝利点が高い人が勝ち。得点源には、以下がある。
1)ゲーム中:称号カード、各種ボーナス
2)ゲーム後:植民地、海図・契約カード、人物カード
○アクション
a)ワーカー:アクションスペースに自色船コマを配置し、実行。
・資源の取得
・植民地の獲得 など
b)購入:海図カードまたは契約カード1枚を買う。
c)造船:自分の船コマを増やす。
d)人物:手札の人物カードをプレイし、効果発動する。
e)効果:ラウンド1回効果の人物カードを使う。
f)パス:パスをする。このラウンドは、以降は参加できない。
○特徴的な要素
・船コマを、ワーカーと資源の両方として使う。
・ワカプレ:共通ボードまたは海図カードのアクション実行。
・資源:資源獲得したら、個人ボードの対応マスに置く。
・アクション実行に使ったのとは別の船コマを置く。
・資源消費のときは、船コマを除く。
・資源ごとに、所定のポイント数を得る。
・ポイントを使って、物品を購入できる。
・物品ごとに、資源の種類が指定されている。
・余ったポイントは、食料になる。
・以下の要素がある。
・食料:個人ボードのコマの位置で数を表示。
・植民地:食料の収入と所持上限を増やす。
・決算:毎ラウンド後、条件によるボーナス点。
・称号:目標達成による得点。早取り。
・契約:終了時得点。
・海図:個人用アクションスペース。
・人物:開始時に配布。コストを払い発動。即時/永続効果。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・人物カードの効果は、言語による説明で、文章量が多い。
・その他は、アイコン主体で言語が補助の記載。
・プレイ人数依存:
・2~4人用:人数に応じ、アクションスペースの数を調整。
・1人用:ソロルールで遊ぶ。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・決算・称号カードは、毎回ランダムに選んで使う。
・人物カードは、毎回ランダムに配布する。
・ランダム要素:
・契約・海図・人物カードの出現順はランダム。
・上級ルール:
・開始時の人物カードの配り方のバリエーションがある。
6)入手性
・日本語版ウチバコヤから発売されている[5]。定価7400円。
・ウチバコヤ通販サイトで、普通に入手可能。送料850円。
・国内アマゾンでは取扱いなし。
※2022/7現在の状況。
[5] うちばこや: ボードゲーム - 001 | Amalfi
(参考サイト)
基本情報、ユーザーのレビューなどの情報源として、例えば、以下を参考にしました。
[2]ボドゲーマ:アクアガーデン
※該当ページなし。
[3]Board Game Geek: Amalfi (2020)
https://boardgamegeek.com/boardgame/298130/amalfi
[4]さたもと:Amalfi アマルフィ
https://note.com/satamoto/n/nf76fab89e993
★考察:「アマルフィ」の魅力と懸念点
以前の記事「アクアガーデン」と同じメーカーの商品です。こちらも、美しい木製コマなので、内容を確認しました。
◎魅力を感じた点
・コマ。プリントが美しい。後半、船コマが大量に増えると、満足感・達成感がありそうだ。
・拡大再生産。各方面のレビューを読むと、カツカツではなく、緩めのゲーム感らしい。後半になると大量のワーカーとカードを使って、思う存分、拡大再生産の結果を楽しめそうだ。ストレスをためず、気持ちよくプレイできそうだ。
・日本語ルールブックが公開されている。これは嬉しい! ルールを読まないと、楽しいかどうか分からない。たいていのゲームは英語ルールを読むことになるが、日本語なら、読むのがとってもラクちんだ。
◎懸念点
・植民地。国産ゲームらしいのだが、何故に植民地? 西欧の実際に歴史を経験した国々とは、言葉の重みが違うのではないか。当方は、植民地と奴隷制に、強く反発します(「プエルトリコの失敗」を忘れるな)。もし安直に言葉を選んでしまったのなら、とても残念に感じる。
・脳内演算。船コマを資源として扱うのだが、資源を使うときは、いったん数字に変換して、その数字で買い物をするというルール。まるで複数カードのマークをコストとして払う、デッキビルディング・ゲームのようだ。頭の中でポイントを数えるのは、直感的でなく、苦手だ。我が家(短期記憶が劣化した中年と、まだまだ勉強中の小さい子供の集まり)の演算能力では、間違いが頻発しそうで、スムーズに遊べないと思う。
・カードプレイ。船コマをワーカーかつ資源に使う、というルールが特徴的。なのだが、称号・海図・契約・人物など、カード要素が多すぎるように感じる。特に人物カード・海図カードは、個人エリアに累積し、かなりの存在感がある。テラフォーミング・マーズ的な、タブロービルディング方式は苦手だ。ワーカーに使うべきか、資源として確保すべきか、というような二者択一的なジレンマに期待していたのだが、ちょっと違うゲームだったようだ。人物カードの言語依存も、我が家では大問題(長男8歳・次男5歳は、まだ漢字が読めない)。
★判定結果:「アマルフィ」は買うべきか?
以上を踏まえて、「アマルフィ」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
かわいらしいコマが魅力的です。ただ、頭の中でコスト計算する煩雑ルールで、スムーズに遊べない懸念があります。そして「植民地」は、個人的に絶対NGのテーマです。残念ながら、楽しめそうにありません。
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