ボードゲームの購入を検討する記事です。今回は「アウトリブ(Outlive)」。
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男5歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「アウトリブ(Outlive)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など

1)基本情報
・タイトル:アウトリブ/アウトライブ
・作者:Gregory Oliver
・原題:Outlive
・発売年:2017年
・出版社(一例):La Boite de Jeu [1]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:60分
・推奨年齢:14歳以上
[1]La Boite de Jeu: Outlive
2)テーマ
・年代:核戦争後の未来
・場所:荒れ果てた地上
・プレイヤーの立場:生き残った集団
・目的:救済者「コンボイ」到着まで生き残ること。
・行うこと:
・各地を歩き資源や装備を収集する。
・仲間を集め、養う。
・シェルター内の設備を増やす。
・ライバルから物品を奪う。
・毎日発生する危険に対処する。
3)外観
・絵柄:暗くシリアスな雰囲気。劇画風の人物。
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1個、サブボード1個、個人ボード4個
・木製コマ:ヒーローなど 約20個
・カード:イベント・リーダーなど 約20枚
・紙製タイル:装備・設備など 約110個
・紙製チップ:生存者・資源など 約340個
・サイズ感:箱30×30cm、メインボード:約40×40cm(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(La Boite de Jeu、2016年)を参照した情報。
○基本システム
・ロンデル要素のあるワーカープレイスメント。
・個人ボードへの建物設置(特殊効果の累積)。
○大まかな手順
1)ラウンド制。全6ラウンド。
2)ボード上の物品を補充する。
3)毎ラウンド、新たなイベントカードをめくる。
4)開始プレイヤーから、時計まわりに手番をとる。
i)自色ワーカー1個を選び、1~2マス移動する。
ii)移動先に別色ワーカーがいたら、物品を奪える。
iii)アクションポイントを割り当て、移動先のアクションを行う。
5)全員が、全ワーカーを使い切るまで繰り返す。
6)全員同時に、以下を行う。
i)イベントを解消する機会を持つ。
ii)個人ボードを更新する。
iii)設備の建設、装備の補修を行う。
7)次ラウンドを開始する。
8)6ラウンドを終えるたら、ゲーム終了。
○勝敗
・勝利点が高い人が勝ち。得点源には、以下がある。すべて終了時に集計。
1)達成度:解決したイベント数、放射線トラック
2)所持品:生存者で埋まった建物、生存者、装備品など
○アクション
a)基地:弾薬を得る。
b)森林:木材を得る/狩りをする。
c)鉱山:金属を得る/狩りをする。
d)広場:ICチップを得る/狩りをする。
e)船:缶詰・仲間を得る/開始プレイヤーになる。
f)ダム:水を得る。
g)廃墟:装備品を得る。
○特徴的な要素
・毎ラウンド、新たなイベントが追加される。
・イベントは、マイナスの永続効果を与える。
・ラウンド終了時、誰かが所定資源を払うと解決。
・未解決のイベントは、以降も効果が継続する。
・アクション選択はマンカラ方式。
・8箇所のアクションマスがある。
・各プレイヤーは、4個のワーカーを持つ。
・ワーカーは、現在マスから1~2歩移動できる。
・自色ワーカーは、同じマスには1個まで。
・ワーカーには3~5の数字があり、強さを示す。
・強さは、アクションポイントを示す。
・アクションポイントにより、物品の入手数などが変わる。
・他色ワーカーと同じマスに入ると、物品を奪える。
・強さの差分だけ、その人から物品を奪える。
・取られる側は弾薬を使うと、奪われる物品を減らせる。
・個人ボードに、設備を増やせる。
・建てられる設備タイルは、最初から個人ボードにある。
・所定コストを払ってタイルを裏返して、使用可能にする。
・生存者チップを置くと、設備の効果が有効になる。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・ゲーム中の効果が、一部文字で説明されている。
・プレイ人数依存:
・2~4人用:使用する物品数を調整。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・初期資源は、最初に配られるリーダーカードで決まる。
・使用できる設備は、最初の配布で決まる。
・ランダム要素:
・狩りタイル・発見物タイルの出現順はランダム。
・装備タイルの出現順はランダム。
6)入手性
・日本語版:アークライトより販売。定価7150円。
・国内アマゾンで、普通に購入できる。実売約7100円。
・英語版:海外Amazon.comは在庫見つからず。定価50ユーロ。
※2021/12現在の状況。
★考察:「アウトリブ」の魅力と懸念点
終末的な世界で生き残りを目指すというテーマと、ロンデル風のアクション選択システムが、気になりました。
◎魅力を感じた点
・システム。ロンデル風のワーカープレイスメント。接続マスを1~2歩移動してアクションを選ぶ。自色ワーカーは同じマスには止まれない、ワーカーごとに強さ(アクションポイント)が異なる、などの制約がある。計画的なワーカー使用を、悩ましく楽しめそうだ。
◎懸念点
・直接攻撃。強いワーカーを、他プレイヤーの弱いワーカーのマスに移動すると、物品を奪える。直接攻撃となるので、心の弱い人ばかりの我が家では、なかなか受け入れられないのでは。
・罰則要素。毎ラウンド、新たなマイナス効果のイベントが追加される。ラウンド終了時は、個人ボードの生存者への食糧供給、放射線レベルの増大、余剰物品の強制廃棄など、罰則的な手順がたくさんある。いつもペナルティと戦うことになりそう。明るく快適に楽しめそうにない。なるほど終末的である。
・世界観。暗くてシリアス。自己の優位性を示した人だけが救われる(海底都市に住む「コンボイ」という救世主が選ぶのだと。)という設定で、きわめて救いがない。気が滅入りそうだ。
★判定結果:「アウトリブ」は買うべきか?
以上を踏まえて、「アウトリブ」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
終末世界のサバイバルという、シリアスなテーマが興味を引きます。ただ、ゲーム内容があまりに終末的で、対人攻撃やペナルティの対処に明け暮れてしまいそうです。残念ながら、我が家には合わないと結論します。
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★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男5歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「アウトリブ(Outlive)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など

1)基本情報
・タイトル:アウトリブ/アウトライブ
・作者:Gregory Oliver
・原題:Outlive
・発売年:2017年
・出版社(一例):La Boite de Jeu [1]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:60分
・推奨年齢:14歳以上
[1]La Boite de Jeu: Outlive
2)テーマ
・年代:核戦争後の未来
・場所:荒れ果てた地上
・プレイヤーの立場:生き残った集団
・目的:救済者「コンボイ」到着まで生き残ること。
・行うこと:
・各地を歩き資源や装備を収集する。
・仲間を集め、養う。
・シェルター内の設備を増やす。
・ライバルから物品を奪う。
・毎日発生する危険に対処する。
3)外観
・絵柄:暗くシリアスな雰囲気。劇画風の人物。
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1個、サブボード1個、個人ボード4個
・木製コマ:ヒーローなど 約20個
・カード:イベント・リーダーなど 約20枚
・紙製タイル:装備・設備など 約110個
・紙製チップ:生存者・資源など 約340個
・サイズ感:箱30×30cm、メインボード:約40×40cm(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(La Boite de Jeu、2016年)を参照した情報。
○基本システム
・ロンデル要素のあるワーカープレイスメント。
・個人ボードへの建物設置(特殊効果の累積)。
○大まかな手順
1)ラウンド制。全6ラウンド。
2)ボード上の物品を補充する。
3)毎ラウンド、新たなイベントカードをめくる。
4)開始プレイヤーから、時計まわりに手番をとる。
i)自色ワーカー1個を選び、1~2マス移動する。
ii)移動先に別色ワーカーがいたら、物品を奪える。
iii)アクションポイントを割り当て、移動先のアクションを行う。
5)全員が、全ワーカーを使い切るまで繰り返す。
6)全員同時に、以下を行う。
i)イベントを解消する機会を持つ。
ii)個人ボードを更新する。
iii)設備の建設、装備の補修を行う。
7)次ラウンドを開始する。
8)6ラウンドを終えるたら、ゲーム終了。
○勝敗
・勝利点が高い人が勝ち。得点源には、以下がある。すべて終了時に集計。
1)達成度:解決したイベント数、放射線トラック
2)所持品:生存者で埋まった建物、生存者、装備品など
○アクション
a)基地:弾薬を得る。
b)森林:木材を得る/狩りをする。
c)鉱山:金属を得る/狩りをする。
d)広場:ICチップを得る/狩りをする。
e)船:缶詰・仲間を得る/開始プレイヤーになる。
f)ダム:水を得る。
g)廃墟:装備品を得る。
○特徴的な要素
・毎ラウンド、新たなイベントが追加される。
・イベントは、マイナスの永続効果を与える。
・ラウンド終了時、誰かが所定資源を払うと解決。
・未解決のイベントは、以降も効果が継続する。
・アクション選択はマンカラ方式。
・8箇所のアクションマスがある。
・各プレイヤーは、4個のワーカーを持つ。
・ワーカーは、現在マスから1~2歩移動できる。
・自色ワーカーは、同じマスには1個まで。
・ワーカーには3~5の数字があり、強さを示す。
・強さは、アクションポイントを示す。
・アクションポイントにより、物品の入手数などが変わる。
・他色ワーカーと同じマスに入ると、物品を奪える。
・強さの差分だけ、その人から物品を奪える。
・取られる側は弾薬を使うと、奪われる物品を減らせる。
・個人ボードに、設備を増やせる。
・建てられる設備タイルは、最初から個人ボードにある。
・所定コストを払ってタイルを裏返して、使用可能にする。
・生存者チップを置くと、設備の効果が有効になる。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・ゲーム中の効果が、一部文字で説明されている。
・プレイ人数依存:
・2~4人用:使用する物品数を調整。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・初期資源は、最初に配られるリーダーカードで決まる。
・使用できる設備は、最初の配布で決まる。
・ランダム要素:
・狩りタイル・発見物タイルの出現順はランダム。
・装備タイルの出現順はランダム。
6)入手性
・日本語版:アークライトより販売。定価7150円。
・国内アマゾンで、普通に購入できる。実売約7100円。
・英語版:海外Amazon.comは在庫見つからず。定価50ユーロ。
※2021/12現在の状況。
★考察:「アウトリブ」の魅力と懸念点
終末的な世界で生き残りを目指すというテーマと、ロンデル風のアクション選択システムが、気になりました。
◎魅力を感じた点
・システム。ロンデル風のワーカープレイスメント。接続マスを1~2歩移動してアクションを選ぶ。自色ワーカーは同じマスには止まれない、ワーカーごとに強さ(アクションポイント)が異なる、などの制約がある。計画的なワーカー使用を、悩ましく楽しめそうだ。
◎懸念点
・直接攻撃。強いワーカーを、他プレイヤーの弱いワーカーのマスに移動すると、物品を奪える。直接攻撃となるので、心の弱い人ばかりの我が家では、なかなか受け入れられないのでは。
・罰則要素。毎ラウンド、新たなマイナス効果のイベントが追加される。ラウンド終了時は、個人ボードの生存者への食糧供給、放射線レベルの増大、余剰物品の強制廃棄など、罰則的な手順がたくさんある。いつもペナルティと戦うことになりそう。明るく快適に楽しめそうにない。なるほど終末的である。
・世界観。暗くてシリアス。自己の優位性を示した人だけが救われる(海底都市に住む「コンボイ」という救世主が選ぶのだと。)という設定で、きわめて救いがない。気が滅入りそうだ。
★判定結果:「アウトリブ」は買うべきか?
以上を踏まえて、「アウトリブ」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
終末世界のサバイバルという、シリアスなテーマが興味を引きます。ただ、ゲーム内容があまりに終末的で、対人攻撃やペナルティの対処に明け暮れてしまいそうです。残念ながら、我が家には合わないと結論します。
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