ボードゲームの購入を検討する記事です。今回は「グランド・オーストリアホテル(Grand Austria Hotel)」。
Grand Austria Hotel:Japanese rules in hand (「グランドオーストリアホテル」日本語ルール)
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男5歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「グランド・オーストリアホテル(Grand Austria Hotel)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など

1)基本情報
・タイトル:グランド・オーストリアホテル
・作者:Simone Luciani, Virginio Gigli
・原題:Grand Austria Hotel
・発売年:2015年
・出版社(一例):Lookout Games [1]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:90分
・推奨年齢:12歳以上
[1]Lookout Games: Grand Austria Hotel
2)テーマ
・年代:20世紀初頭
・場所:オーストリア・ウィーン
・プレイヤーの立場:ホテルの経営者
・目的:ホテルを大きく、有名にすること。
・行うこと:
・お客を集め、料理を提供する。
・部屋を準備し、お客を泊める。
・有能なスタッフを雇う。
・皇帝からの評価を高める。
3)外観
・絵柄:落ち着いた色使い。漫画風のイラスト。
・コンポーネント:
・ボード: ゲームボード2個、個人ボード4個
・カード: 客・従業員など 約120枚
・木製コマ: 料理、マーカーなど 約150個
・紙製タイル:部屋など 約110個
・その他:サイコロ 14個
・サイズ感:箱32cm×22cm、ボード:A3サイズ+A4サイズ程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Lookout Spiele/ Maifair Games、2015年版)を参照した情報。
○基本システム
・共通の場からのサイコロ取得と配置。
○大まかな手順
1)ラウンド制。全7ラウンド。
2)ラウンド開始時にサイコロを振り、出目ごとに分ける。
3)開始プレイヤーから、時計回りに手番をとる。
4)手番では、以下を順に行う。
i)客カード1枚を取る(任意)。
ii)サイコロを選び、対応するアクションを行う。
iii)選んだサイコロを取り除く。
5)全員が2手番ずつ取ったら、ラウンド終了。
6)3・5・7ラウンド終了時、皇帝点により報酬・罰則がある。
7)ラウンド7が終わったら、ゲーム終了。
○勝敗
・勝利点が高い人が勝ち。得点源には、以下がある。
1)ゲーム中の得点:お客の宿泊、皇帝の評価、など。
2)終了時得点:所持カード、宿泊した部屋数、現金など。
○アクション
選んだ出目のサイコロの数で、アクションの強さが決まる。
・出目1)食事を取る。サイコロの個数だけ取れる。
・出目2)飲料を取る。サイコロの個数だけ取れる。
・出目3)部屋タイルを取る。サイコロの個数だけ取れる。
・出目4)現金/皇帝点を、サイコロの個数だけ増やす。
・出目5)従業員カードを有効化。サイコロ個数ぶんコスト減。
・出目6)1金払い、好きな出目のアクションを行える。
○特徴的な要素
・ラウンド開始時に、共通のサイコロを振る。
・プレイ人数により、サイコロは10~14個。
・振ったサイコロを、出目ごとに分けて、共通の場に置く。
・サイコロ1個を選び、出目に対応するアクションを行う。
・同じ出目のサイコロの数で、アクションの強さが決まる。
・アクション後は、その出目のサイコロ1個を除く。
・お客を宿泊させることで、得点を得られる。
・お客カードは、3枚まで個人ボードに置ける。
・お客ごとに、異なる料理、異なる色の部屋、が必要。
・料理と部屋を準備したら、お客を泊められる。
・部屋は、個人ボードに並べることで増やす。
・3・5・7ラウンド終了時、皇帝の評価がある。
・皇帝点が所定より高いと、物品を得るなどの報酬。
・皇帝点が所定より低いと、物品を失うなどの罰則。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・カードの固有名詞は、文字による記載。
・効果はアイコン表記のみで、文字依存なし。
・プレイ人数依存:
・人数によって、サイコロの数を調整。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・目標カード・皇帝ボーナスは、毎回ランダムに選択。
・個人ボードの部屋パターンはランダムに選択。
・ランダム要素:
・客カードの出現順はランダム。
・従業員カードの初期手札、出現順はランダム。
・サイコロの出目はランダム。
6)入手性
・日本語版:
・日本語版の存在は確認できない。
・英語版:
・英語版は、国内アマゾンでは超プレミアム価格(2.5万円)。
・海外Amazon.comでも在庫が確認できない。
※2021/10現在の状況。
★考察:「グランド・オーストリアホテル」の魅力と懸念点
有名な商品で、ボードゲームを検索するたびに、いろいろなところで目にするタイトルです。サイコロを使う、という点で敬遠していたのですが、見るたびに気になるので、内容を確認しました。
◎魅力を感じた点
・テーマと内容。ホテルを運営する、というのが分かりやすい。お客・部屋・料理の3点セットで得点、というのも、直感的に理解しやすくてよい。絵柄は、やや地味だが、暗い感じがなく好印象だ。個人ボードに部屋が増えていくのも、達成感・満足感がありそう。
・サイコロ。全員が同じサイコロから選ぶので、不公平感が少ない。サイコロは、毎回違った環境を与える、イベントのようなものと納得できる(「オルレアン」のイベントカードのようなもの)。同じ出目のサイコロが多いほど、強いアクションができる。出目のめぐりあわせによっては、派手な効果を得られる楽しみがある。
◎懸念点
・ゲーム内容。お客・部屋・料理を集めることの繰り返し。作業を淡々とこなすようになってしまいそうな懸念がある。ゲーム時間が90分と長いので、途中で飽きてしまわないのか。
・プレイ時間。サイコロの出目がランダムな上に、お客カードの出現順もランダム。計画を立てられず、いきあたりばったりになってしまいそうだ。カードやサイコロを見てから行動を決めることになるため、思考時間が長く、待ち時間が長そう。長考族がそろう我が家には、向いていないゲームの予感がする。
・皇帝の評価。皇帝点が所定に満たないと、罰則がある。せっかく集めた成果を失う罰則もあり、嫌な気分になりそうだ。(ロレンツォ・イル・マニーフィコほどの、大きな罰則ではないのが救い。)
・価格。国内アマゾンでは、ひどいプレミアム価格になっている。海外アマゾンでも、在庫が見当たらない。
★判定結果:「グランド・オーストリアホテル」は買うべきか?
以上を踏まえて、「グランド・オーストリアホテル」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※今すぐ買う/ぜひ買いたい/うちには必要ない、の3段階評価。
客+部屋+料理で得点になる、という直感的で分かりやすいルールが魅力です。ただ、サイコロを使った「場なり」の作業を繰り返すだけになる懸念があります。プレミアム価格を払ってまで、購入の必要はないと判断しました。
サマリーではない、詳細まで網羅した完全版ルールを作成しました。ゲーム中の確認にも便利なように、冗長な記述を省き再整理しました。完全日本語版が入手できなくても、これで大丈夫!(物品の言語依存は、ほぼありません。固有名詞のみ文字記載。)
Grand Austria Hotel:Japanese rules in hand (「グランドオーストリアホテル」日本語ルール)
※Roxley Gamesの「Brass: Birmingham」英語マニュアル(2018年版)の和訳に沿っています。
※全従業員カードの効果も、余さず記載しています!
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★日本語版ルールを、BGGに格納しました★
Grand Austria Hotel:Japanese rules in hand (「グランドオーストリアホテル」日本語ルール)
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男5歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「グランド・オーストリアホテル(Grand Austria Hotel)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など

1)基本情報
・タイトル:グランド・オーストリアホテル
・作者:Simone Luciani, Virginio Gigli
・原題:Grand Austria Hotel
・発売年:2015年
・出版社(一例):Lookout Games [1]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:90分
・推奨年齢:12歳以上
[1]Lookout Games: Grand Austria Hotel
2)テーマ
・年代:20世紀初頭
・場所:オーストリア・ウィーン
・プレイヤーの立場:ホテルの経営者
・目的:ホテルを大きく、有名にすること。
・行うこと:
・お客を集め、料理を提供する。
・部屋を準備し、お客を泊める。
・有能なスタッフを雇う。
・皇帝からの評価を高める。
3)外観
・絵柄:落ち着いた色使い。漫画風のイラスト。
・コンポーネント:
・ボード: ゲームボード2個、個人ボード4個
・カード: 客・従業員など 約120枚
・木製コマ: 料理、マーカーなど 約150個
・紙製タイル:部屋など 約110個
・その他:サイコロ 14個
・サイズ感:箱32cm×22cm、ボード:A3サイズ+A4サイズ程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Lookout Spiele/ Maifair Games、2015年版)を参照した情報。
○基本システム
・共通の場からのサイコロ取得と配置。
○大まかな手順
1)ラウンド制。全7ラウンド。
2)ラウンド開始時にサイコロを振り、出目ごとに分ける。
3)開始プレイヤーから、時計回りに手番をとる。
4)手番では、以下を順に行う。
i)客カード1枚を取る(任意)。
ii)サイコロを選び、対応するアクションを行う。
iii)選んだサイコロを取り除く。
5)全員が2手番ずつ取ったら、ラウンド終了。
6)3・5・7ラウンド終了時、皇帝点により報酬・罰則がある。
7)ラウンド7が終わったら、ゲーム終了。
○勝敗
・勝利点が高い人が勝ち。得点源には、以下がある。
1)ゲーム中の得点:お客の宿泊、皇帝の評価、など。
2)終了時得点:所持カード、宿泊した部屋数、現金など。
○アクション
選んだ出目のサイコロの数で、アクションの強さが決まる。
・出目1)食事を取る。サイコロの個数だけ取れる。
・出目2)飲料を取る。サイコロの個数だけ取れる。
・出目3)部屋タイルを取る。サイコロの個数だけ取れる。
・出目4)現金/皇帝点を、サイコロの個数だけ増やす。
・出目5)従業員カードを有効化。サイコロ個数ぶんコスト減。
・出目6)1金払い、好きな出目のアクションを行える。
○特徴的な要素
・ラウンド開始時に、共通のサイコロを振る。
・プレイ人数により、サイコロは10~14個。
・振ったサイコロを、出目ごとに分けて、共通の場に置く。
・サイコロ1個を選び、出目に対応するアクションを行う。
・同じ出目のサイコロの数で、アクションの強さが決まる。
・アクション後は、その出目のサイコロ1個を除く。
・お客を宿泊させることで、得点を得られる。
・お客カードは、3枚まで個人ボードに置ける。
・お客ごとに、異なる料理、異なる色の部屋、が必要。
・料理と部屋を準備したら、お客を泊められる。
・部屋は、個人ボードに並べることで増やす。
・3・5・7ラウンド終了時、皇帝の評価がある。
・皇帝点が所定より高いと、物品を得るなどの報酬。
・皇帝点が所定より低いと、物品を失うなどの罰則。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・カードの固有名詞は、文字による記載。
・効果はアイコン表記のみで、文字依存なし。
・プレイ人数依存:
・人数によって、サイコロの数を調整。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・目標カード・皇帝ボーナスは、毎回ランダムに選択。
・個人ボードの部屋パターンはランダムに選択。
・ランダム要素:
・客カードの出現順はランダム。
・従業員カードの初期手札、出現順はランダム。
・サイコロの出目はランダム。
6)入手性
・日本語版:
・日本語版の存在は確認できない。
・英語版:
・英語版は、国内アマゾンでは超プレミアム価格(2.5万円)。
・海外Amazon.comでも在庫が確認できない。
※2021/10現在の状況。
★考察:「グランド・オーストリアホテル」の魅力と懸念点
有名な商品で、ボードゲームを検索するたびに、いろいろなところで目にするタイトルです。サイコロを使う、という点で敬遠していたのですが、見るたびに気になるので、内容を確認しました。
◎魅力を感じた点
・テーマと内容。ホテルを運営する、というのが分かりやすい。お客・部屋・料理の3点セットで得点、というのも、直感的に理解しやすくてよい。絵柄は、やや地味だが、暗い感じがなく好印象だ。個人ボードに部屋が増えていくのも、達成感・満足感がありそう。
・サイコロ。全員が同じサイコロから選ぶので、不公平感が少ない。サイコロは、毎回違った環境を与える、イベントのようなものと納得できる(「オルレアン」のイベントカードのようなもの)。同じ出目のサイコロが多いほど、強いアクションができる。出目のめぐりあわせによっては、派手な効果を得られる楽しみがある。
◎懸念点
・ゲーム内容。お客・部屋・料理を集めることの繰り返し。作業を淡々とこなすようになってしまいそうな懸念がある。ゲーム時間が90分と長いので、途中で飽きてしまわないのか。
・プレイ時間。サイコロの出目がランダムな上に、お客カードの出現順もランダム。計画を立てられず、いきあたりばったりになってしまいそうだ。カードやサイコロを見てから行動を決めることになるため、思考時間が長く、待ち時間が長そう。長考族がそろう我が家には、向いていないゲームの予感がする。
・皇帝の評価。皇帝点が所定に満たないと、罰則がある。せっかく集めた成果を失う罰則もあり、嫌な気分になりそうだ。(ロレンツォ・イル・マニーフィコほどの、大きな罰則ではないのが救い。)
・価格。国内アマゾンでは、ひどいプレミアム価格になっている。海外アマゾンでも、在庫が見当たらない。
★判定結果:「グランド・オーストリアホテル」は買うべきか?
以上を踏まえて、「グランド・オーストリアホテル」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※今すぐ買う/ぜひ買いたい/うちには必要ない、の3段階評価。
客+部屋+料理で得点になる、という直感的で分かりやすいルールが魅力です。ただ、サイコロを使った「場なり」の作業を繰り返すだけになる懸念があります。プレミアム価格を払ってまで、購入の必要はないと判断しました。
★日本語版ルール(PDF形式・完全版)★
サマリーではない、詳細まで網羅した完全版ルールを作成しました。ゲーム中の確認にも便利なように、冗長な記述を省き再整理しました。完全日本語版が入手できなくても、これで大丈夫!(物品の言語依存は、ほぼありません。固有名詞のみ文字記載。)
★BGGからダウンロードできます★
Grand Austria Hotel:Japanese rules in hand (「グランドオーストリアホテル」日本語ルール)
※Roxley Gamesの「Brass: Birmingham」英語マニュアル(2018年版)の和訳に沿っています。
※全従業員カードの効果も、余さず記載しています!
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