家族で遊ぶボードゲームを調査しています。今回はラパヌイ(Rapa Nui)」。モアイを作り、目的地に設置する、ワカプレ&路線設置ゲーム。

★モアイを作って運び、帽子をかぶせよう!
「ラパヌイ(ラパ・ヌイ)Rapa Nui」は、イースター島(現地語でラパ・ヌイ)を舞台としたゲームです。プレイヤーは部族の長となり、モアイを石材から削り出し、海の近くまで運び、設置します。モアイやフィギュアの造形がよく、変則的なワーカープレースメントのシステムも特徴的で、目を引いたゲームです。2~4人、45分、10歳以上。日本語版なし(物品の言語依存なし)。英語版は海外アマゾンで普通に購入できる。約60ドル+送料約15ドル。
今回、英語マニュアル(Matagot, 2019)を読んで、内容を確認しました。
※「ジャイアント(Giants, 2008)」というゲームの、プレイ時間を短縮したリメイクらしい。
[1]Board Game Geek: Rapa Nui (2020)
https://boardgamegeek.com/boardgame/314401/rapa-nui
★置いたワーカーが搬送経路になる!
ラパ・ヌイは、基本的にはワーカープレイスメント方式で進行します。以下の順で、フェーズが行われます。
1)ワーカーの配置
2)ワーカーのアクション実行
3)ワーカーによるモアイ搬送
最初のワーカー配置では、手番順に1個ずつ、手持ちのワーカーすべて、ボード上に配置します。ワーカーを置く場所には、①プレイ順決定マス、②モアイ彫刻場、③地図上の各地域、があり、ワーカーを置く順番は自由です。このうち①には、専用のワーカー(司祭)を使います。②は、置いたワーカー数によって、作れるモアイの大きさが変わります。これら②③については、フェーズ2)のアクション実行で、実行されます。
そして③の地図上が、このゲームの特徴的なところです。地図上に置いたワーカー単独では、何のアクションもできません。フェーズ3)の搬送のときに、役割を果たします。すなわち、モアイ彫刻場から、モアイを置く海岸マスまでの経路をつなぐように、ワーカーが配置されていれば、モアイ像を搬送することができます。このとき、経路のワーカーは、自分のものでも、他プレイヤーのものでもOKというのがポイントです。他プレイヤーは、経路に使われると、資源を得られるようになっています(自分のワーカーからは資源をもらえない)。
ワーカープレイスメントというと、アクションスペースにコマを置き、その内容を実行する、というのが一般的です。しかしこのゲームでは、アクションを行うほかに、モアイを搬送するという役割を、ワーカーが持っています。ワーカープレイスメントと、ネットワーク構築ゲームを組み合わせたようなシステムです。たいへんユニークな仕組みで、興味深いです。
★モアイに帽子を乗せて、勝利点を得よう!
モアイを建てると、4種類のリソースがもらえます。リソースの所持数は、個人ボードのトラックで表示します。リソースは、永続能力を得る改良タイルの購入などに使います。
また、モアイを建てるのと同様にして、帽子をモアイの場所まで搬送できます。帽子を搬送すると、リソースを勝利点タイル(供物)に交換できます。この供物の得点の合計で、ゲームの勝敗を競います。
モアイ建造地が一定数埋まったら、ゲーム終了です。勝利点のもっとも高い人が勝ちです。
★まとめ:変則ワーカープレイスメントが楽しそう!
「ラパヌイ」の内容を確認しました。魅力と懸念点をまとめます。
◎魅力に感じた点
・システム。ワーカープレイスメントを基礎としながら、ワーカーを並べて運搬経路を作るというのが新鮮。陣取り系のゲームは苦手だが、このゲームでは、置いたワーカーは毎ラウンドリセットされる。また、運搬経路には他のプレイヤーのワーカーも使える。プレイヤー間での干渉がマイルドになって、キリキリせずに遊べそうだ。
・モアイ。ミニチュアのモアイ像が大・中・小とあり、丁寧な造形に見える。ワーカーの形状も雰囲気があってよい。
◎懸念に思う点
・システム。遠くの海岸にモアイを運ぶには、自分だけのワーカーでは難しそう。お互いにジャマをしあうと、いつまでたってもゲームが終わらないかもしれない懸念がある。(ゲーム終了条件は、一定数のモアイの建造。)
・プレイ時間。運要素がないため、どうしても長考になってしまいそう。公称の45分では、絶対に終わらないだろう。
・テーマ。モアイを作って運ぶというテーマが、子供たちに受け入れられるか心配。見た目も地味すぎないか。
・特殊タイル。祭壇(アフ、AHU)タイルや改良タイルなど、さまざまな特殊効果があり、覚えきれそうにない。アイコン表示だが、分かりにくく、説明書の参照が頻繁に必要になりそう。
アクションとネットワーク形成の2つの使い道があるワーカーがユニークなゲームです。モアイを作る、というテーマも、平和的で良いと感じました。
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★モアイを作って運び、帽子をかぶせよう!
「ラパヌイ(ラパ・ヌイ)Rapa Nui」は、イースター島(現地語でラパ・ヌイ)を舞台としたゲームです。プレイヤーは部族の長となり、モアイを石材から削り出し、海の近くまで運び、設置します。モアイやフィギュアの造形がよく、変則的なワーカープレースメントのシステムも特徴的で、目を引いたゲームです。2~4人、45分、10歳以上。日本語版なし(物品の言語依存なし)。英語版は海外アマゾンで普通に購入できる。約60ドル+送料約15ドル。
今回、英語マニュアル(Matagot, 2019)を読んで、内容を確認しました。
※「ジャイアント(Giants, 2008)」というゲームの、プレイ時間を短縮したリメイクらしい。
[1]Board Game Geek: Rapa Nui (2020)
https://boardgamegeek.com/boardgame/314401/rapa-nui
★置いたワーカーが搬送経路になる!
ラパ・ヌイは、基本的にはワーカープレイスメント方式で進行します。以下の順で、フェーズが行われます。
1)ワーカーの配置
2)ワーカーのアクション実行
3)ワーカーによるモアイ搬送
最初のワーカー配置では、手番順に1個ずつ、手持ちのワーカーすべて、ボード上に配置します。ワーカーを置く場所には、①プレイ順決定マス、②モアイ彫刻場、③地図上の各地域、があり、ワーカーを置く順番は自由です。このうち①には、専用のワーカー(司祭)を使います。②は、置いたワーカー数によって、作れるモアイの大きさが変わります。これら②③については、フェーズ2)のアクション実行で、実行されます。
そして③の地図上が、このゲームの特徴的なところです。地図上に置いたワーカー単独では、何のアクションもできません。フェーズ3)の搬送のときに、役割を果たします。すなわち、モアイ彫刻場から、モアイを置く海岸マスまでの経路をつなぐように、ワーカーが配置されていれば、モアイ像を搬送することができます。このとき、経路のワーカーは、自分のものでも、他プレイヤーのものでもOKというのがポイントです。他プレイヤーは、経路に使われると、資源を得られるようになっています(自分のワーカーからは資源をもらえない)。
ワーカープレイスメントというと、アクションスペースにコマを置き、その内容を実行する、というのが一般的です。しかしこのゲームでは、アクションを行うほかに、モアイを搬送するという役割を、ワーカーが持っています。ワーカープレイスメントと、ネットワーク構築ゲームを組み合わせたようなシステムです。たいへんユニークな仕組みで、興味深いです。
★モアイに帽子を乗せて、勝利点を得よう!
モアイを建てると、4種類のリソースがもらえます。リソースの所持数は、個人ボードのトラックで表示します。リソースは、永続能力を得る改良タイルの購入などに使います。
また、モアイを建てるのと同様にして、帽子をモアイの場所まで搬送できます。帽子を搬送すると、リソースを勝利点タイル(供物)に交換できます。この供物の得点の合計で、ゲームの勝敗を競います。
モアイ建造地が一定数埋まったら、ゲーム終了です。勝利点のもっとも高い人が勝ちです。
★まとめ:変則ワーカープレイスメントが楽しそう!
「ラパヌイ」の内容を確認しました。魅力と懸念点をまとめます。
◎魅力に感じた点
・システム。ワーカープレイスメントを基礎としながら、ワーカーを並べて運搬経路を作るというのが新鮮。陣取り系のゲームは苦手だが、このゲームでは、置いたワーカーは毎ラウンドリセットされる。また、運搬経路には他のプレイヤーのワーカーも使える。プレイヤー間での干渉がマイルドになって、キリキリせずに遊べそうだ。
・モアイ。ミニチュアのモアイ像が大・中・小とあり、丁寧な造形に見える。ワーカーの形状も雰囲気があってよい。
◎懸念に思う点
・システム。遠くの海岸にモアイを運ぶには、自分だけのワーカーでは難しそう。お互いにジャマをしあうと、いつまでたってもゲームが終わらないかもしれない懸念がある。(ゲーム終了条件は、一定数のモアイの建造。)
・プレイ時間。運要素がないため、どうしても長考になってしまいそう。公称の45分では、絶対に終わらないだろう。
・テーマ。モアイを作って運ぶというテーマが、子供たちに受け入れられるか心配。見た目も地味すぎないか。
・特殊タイル。祭壇(アフ、AHU)タイルや改良タイルなど、さまざまな特殊効果があり、覚えきれそうにない。アイコン表示だが、分かりにくく、説明書の参照が頻繁に必要になりそう。
アクションとネットワーク形成の2つの使い道があるワーカーがユニークなゲームです。モアイを作る、というテーマも、平和的で良いと感じました。
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