ボードゲームの購入を検討する記事です。今回は「フルティコラ(Frutticola)」。
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男4歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「フルティコラ(Frutticola)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など

1)基本情報
・タイトル:フルティコラ/フルッティコラ
・作者: Giovanni Flore, Virginio Gigli
・原題:Frutticola
・発売年:2020年
・出版社(一例):Giochix [1]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:60分
・推奨年齢:14歳以上
[1]Giochix.it: Frutticola English Version
2)テーマ
・年代:1950年代
・場所:アメリカの小さな町
・プレイヤーの立場:町のジャム屋さん
・目的:商売を繁盛させ、お金持ちになること。
・行うこと:
・肥料や殺虫剤を使い、果物を収穫する。
・果物をジャムに加工し、市場に売る。
・技術を導入し、能力を強化する。
3)外観
・絵柄:明るく、コントラストのはっきりした色使い。
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1個、個人ボード4個
・木製コマ:ワーカーなど 40個
・プラ製コマ:果物・ジャム 約120個
・カード: アクションカード 約30枚
・紙製タイル:改良タイルなど 約50枚
・紙製チップ:肥料・殺虫剤など 約30個
・その他:立体的な果樹7個、紙製のお金80枚
・サイズ感:箱30cm×30cm?(推定)、メインボード:B5サイズ程度?(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Giochix、2020年版)を参照した情報。
○基本システム
・ワーカープレイスメント。
○大まかな手順
1.ラウンド制。全4ラウンド。
2.各自、アクションカード5枚を持ってスタート。
3.ラウンドの最初に、アクションカードを1枚出す。
4.アクションカードにしたがい、プレイ順とワーカー数が決まる。
5.手番順に、以下を行う。ワーカープレイスメント方式。
1)ワーカー1人を、アクションスペースに置く。
2)そのアクションを実行する。
6.次のプレイ番の人が、手番を取る。
7.全員がワーカーを使いきったら、ラウンド終了。
8.4ラウンドの後、最終決算を行い、ゲーム終了。
○勝敗
・ゲーム終了時、お金が多い人が勝ち。収入源は以下。
1)ゲーム中の得点:果物・ジャムの販売など。
2)終了時の得点:手持ちの果物・ジャムの販売など。
○アクション
アクションスペースでは、以下のアクションができる。
a)果樹園:果物を収穫する。
b)商店:改良タイルを買う。
c)工場:肥料や殺虫剤を得る。
d)調理室:果物からジャムを作る。
e)市場:果物やジャムを売る。
f)家:追加の労働者を雇う。
○特徴的な要素
・スタート時に、手札からアクションカード1枚を出す。
・カードの数字が小さい順に、プレイ順が決まる。
・カードに書かれた数・種類のワーカーを受け取る。
・カードにより、そのラウンドで使える特殊能力も得られる。
・ワーカーは、農夫と工夫の2種類がある。
・対応するワーカーを置くと、アクション時に特典がある。
・果物・ジャムを売ると、市場価格が下落する。
・改良タイルは32種類。即時効果・永続効果・決算時加点がある。
・所定条件を満たすとボーナスをもらえる、目標タイルがある。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・カードやタイルは、アイコンと文字説明の併記。
・文字を読めないと完全に理解できないものがある。
・プレイ人数依存:
・人数によって、アクションスペースの数などを調整する。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・目標タイルはランダムに選択して使用する。
・ランダム要素:
・アクションカードの配布はランダム。
・改良タイルの出現順はランダム。
6)入手性
・日本語版:日本語版は確認できない。
・英語版:
・キックスターターは終了している。
・Giocchixのサイト(Giochistarter)で購入可能。約60ユーロ+送料40ユーロ。
※2021/9現在の状況。
★考察:「フルティコラ」の魅力と懸念点
ボードゲームギークのリストをしらみつぶしに調べて、ついに見つけた「これだ!」というゲーム。「ジャム作り」という分かりやすいテーマと、カラフルでかわいらしい果物コマが魅力に感じました。
◎魅力を感じた点
・テーマ。果物を集め、ジャム作って売る、というのが明快。お金を稼いだ人が勝ち、も分かりやすい。
・見た目。カラフルで立体的な果物コマがかわいらしい。盤面も、明るい雰囲気でよい。
・システム。最初にアクションカードを選び、プレイ順や使用できるワーカー数が決まるというのが新鮮。手札の5枚から4枚を、ラウンドごとに順に使うことになるが、どのような順番で使うか。作戦を練るのが楽しそうだ。ワーカーが2種類あって、使える順番が決まっているので、他プレイヤーの動向を推測するのも面白そう。
・プレイ時間。公称60分、全4ラウンドの短期決戦で、ワーカープレイスメントとしてはプレイ時間が短め。長考しがちな我が家でも、集中力を保てるのでは。
◎懸念点
・入手性。2021/9時点、クラウドファンディング系の物流(Giochistarter)でしか、入手ができない。海外のため送料がかかり、割高である。今後、一般流通版が出るのか、このまま消えていくのか分からない。買い時が難しい。
・コンポーネントが小さい。カード、タイル、果物コマとも、一般的に想像されるよりも、かなり小さい様子。扱いが煩雑になり、イライラするかもしれない。特に果物は、丸っこくて転がりやすいようだ。テラフォーミング・マーズのキューブで感じたイライラ感を、また繰り返すことになってしまわないか。(その他、タイルの品質など、BGGでは、コンポーネントについて酷評されている。ただ、BGGのマニア視点なので、私たちにはあまり関係ないかもしれない。)
・種類が多い改良タイル。32種類あり、アイコンだけでは効果が分かりにくいものがある。英語の上、タイルが小さく、文字記載が小さいため、判読に手間がかかるかもしれない。
★判定結果:「フルティコラ」は買うべきか?
以上を踏まえて、「フルティコラ」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:ぜひ買いたい。
※今すぐ買う/ぜひ買いたい/うちには必要ない、の3段階評価。
アクションカードによるワーカー数決定システムが素晴らしく、ぜひ遊びたいゲームです。比較的短時間で、濃密なゲーム時間を楽しめそうです。クラウドファンディング起点で、入手性が劣るのが難点です。
★追記:「フルティコラ」買いました。
購入済みです。実際に遊んだレビューを、以下に書いています。
→ゆるやかなジャム作り「フルッティコラ」を子供と遊ぶ
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★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男4歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「フルティコラ(Frutticola)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など

1)基本情報
・タイトル:フルティコラ/フルッティコラ
・作者: Giovanni Flore, Virginio Gigli
・原題:Frutticola
・発売年:2020年
・出版社(一例):Giochix [1]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:60分
・推奨年齢:14歳以上
[1]Giochix.it: Frutticola English Version
2)テーマ
・年代:1950年代
・場所:アメリカの小さな町
・プレイヤーの立場:町のジャム屋さん
・目的:商売を繁盛させ、お金持ちになること。
・行うこと:
・肥料や殺虫剤を使い、果物を収穫する。
・果物をジャムに加工し、市場に売る。
・技術を導入し、能力を強化する。
3)外観
・絵柄:明るく、コントラストのはっきりした色使い。
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1個、個人ボード4個
・木製コマ:ワーカーなど 40個
・プラ製コマ:果物・ジャム 約120個
・カード: アクションカード 約30枚
・紙製タイル:改良タイルなど 約50枚
・紙製チップ:肥料・殺虫剤など 約30個
・その他:立体的な果樹7個、紙製のお金80枚
・サイズ感:箱30cm×30cm?(推定)、メインボード:B5サイズ程度?(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Giochix、2020年版)を参照した情報。
○基本システム
・ワーカープレイスメント。
○大まかな手順
1.ラウンド制。全4ラウンド。
2.各自、アクションカード5枚を持ってスタート。
3.ラウンドの最初に、アクションカードを1枚出す。
4.アクションカードにしたがい、プレイ順とワーカー数が決まる。
5.手番順に、以下を行う。ワーカープレイスメント方式。
1)ワーカー1人を、アクションスペースに置く。
2)そのアクションを実行する。
6.次のプレイ番の人が、手番を取る。
7.全員がワーカーを使いきったら、ラウンド終了。
8.4ラウンドの後、最終決算を行い、ゲーム終了。
○勝敗
・ゲーム終了時、お金が多い人が勝ち。収入源は以下。
1)ゲーム中の得点:果物・ジャムの販売など。
2)終了時の得点:手持ちの果物・ジャムの販売など。
○アクション
アクションスペースでは、以下のアクションができる。
a)果樹園:果物を収穫する。
b)商店:改良タイルを買う。
c)工場:肥料や殺虫剤を得る。
d)調理室:果物からジャムを作る。
e)市場:果物やジャムを売る。
f)家:追加の労働者を雇う。
○特徴的な要素
・スタート時に、手札からアクションカード1枚を出す。
・カードの数字が小さい順に、プレイ順が決まる。
・カードに書かれた数・種類のワーカーを受け取る。
・カードにより、そのラウンドで使える特殊能力も得られる。
・ワーカーは、農夫と工夫の2種類がある。
・対応するワーカーを置くと、アクション時に特典がある。
・果物・ジャムを売ると、市場価格が下落する。
・改良タイルは32種類。即時効果・永続効果・決算時加点がある。
・所定条件を満たすとボーナスをもらえる、目標タイルがある。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・カードやタイルは、アイコンと文字説明の併記。
・文字を読めないと完全に理解できないものがある。
・プレイ人数依存:
・人数によって、アクションスペースの数などを調整する。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・目標タイルはランダムに選択して使用する。
・ランダム要素:
・アクションカードの配布はランダム。
・改良タイルの出現順はランダム。
6)入手性
・日本語版:日本語版は確認できない。
・英語版:
・キックスターターは終了している。
・Giocchixのサイト(Giochistarter)で購入可能。約60ユーロ+送料40ユーロ。
※2021/9現在の状況。
★考察:「フルティコラ」の魅力と懸念点
ボードゲームギークのリストをしらみつぶしに調べて、ついに見つけた「これだ!」というゲーム。「ジャム作り」という分かりやすいテーマと、カラフルでかわいらしい果物コマが魅力に感じました。
◎魅力を感じた点
・テーマ。果物を集め、ジャム作って売る、というのが明快。お金を稼いだ人が勝ち、も分かりやすい。
・見た目。カラフルで立体的な果物コマがかわいらしい。盤面も、明るい雰囲気でよい。
・システム。最初にアクションカードを選び、プレイ順や使用できるワーカー数が決まるというのが新鮮。手札の5枚から4枚を、ラウンドごとに順に使うことになるが、どのような順番で使うか。作戦を練るのが楽しそうだ。ワーカーが2種類あって、使える順番が決まっているので、他プレイヤーの動向を推測するのも面白そう。
・プレイ時間。公称60分、全4ラウンドの短期決戦で、ワーカープレイスメントとしてはプレイ時間が短め。長考しがちな我が家でも、集中力を保てるのでは。
◎懸念点
・入手性。2021/9時点、クラウドファンディング系の物流(Giochistarter)でしか、入手ができない。海外のため送料がかかり、割高である。今後、一般流通版が出るのか、このまま消えていくのか分からない。買い時が難しい。
・コンポーネントが小さい。カード、タイル、果物コマとも、一般的に想像されるよりも、かなり小さい様子。扱いが煩雑になり、イライラするかもしれない。特に果物は、丸っこくて転がりやすいようだ。テラフォーミング・マーズのキューブで感じたイライラ感を、また繰り返すことになってしまわないか。(その他、タイルの品質など、BGGでは、コンポーネントについて酷評されている。ただ、BGGのマニア視点なので、私たちにはあまり関係ないかもしれない。)
・種類が多い改良タイル。32種類あり、アイコンだけでは効果が分かりにくいものがある。英語の上、タイルが小さく、文字記載が小さいため、判読に手間がかかるかもしれない。
★判定結果:「フルティコラ」は買うべきか?
以上を踏まえて、「フルティコラ」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:ぜひ買いたい。
※今すぐ買う/ぜひ買いたい/うちには必要ない、の3段階評価。
アクションカードによるワーカー数決定システムが素晴らしく、ぜひ遊びたいゲームです。比較的短時間で、濃密なゲーム時間を楽しめそうです。クラウドファンディング起点で、入手性が劣るのが難点です。
★追記:「フルティコラ」買いました。
購入済みです。実際に遊んだレビューを、以下に書いています。
→ゆるやかなジャム作り「フルッティコラ」を子供と遊ぶ
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