いわゆる「ドイツゲーム」系のボードゲームの魅力を知り、熱中しています。しかしながら、「収納」に問題があるゲームが多く、一般人にはハードルの高いと感じています。
★「コンポーネント」が充実した本格ボードゲームで遊ぶ!
「アルマ・マータ(Alma Mater)」の購入をきっかけに、本格的なボードゲームの楽しさをしりました。いわゆる「ドイツゲーム」とも言われるもので、コマやカードなどの物品(専門用語で「コンポーネント」という)を使って遊びます。これらのコンポーネントは、そのゲームのテーマに沿った、凝ったつくりになっています。プレイ時間はゲームによりますが、「アルマ・マータ」では3~4時間ほどかかります。このように長時間を要するゲームを、これまた専門用語で「重量級ボードゲーム」と呼ぶそうです。

「アルマ・マータ」のコンポーネントの一例です。木製の人型コマ、カラフルなプラスチックの本、しっかりした厚紙でできたタイルなど、手が込んだつくりです。見ているだけで、これらを使ってどんなゲームができるのか、ワクワクしてきます。
このアルマ・マータの素晴らしいところのひとつが、ケース(箱)です。ケースに仕切りが付いていて、物品をきっちりと、分別して収納できるのです。この種の(使用物品が多種類・多数の)ゲームでは、ゲームを開始するときに、多数のカードやタイルをゲームボードに設置したり、物品をプレイヤーに配る「セットアップ」という儀式があります(初めてだと20~30分かかることもある)。こうやって分別されていると、このセットアップが大幅に簡単になります。ゲームを始めるためのハードルが、グンと下がると思います(なんせ3~4時間かかりますから、少しでもスムーズに入れるようにする工夫が必要なのです)。

小さなパーツの上には、プレイヤーボードが乗り、さらに大きなゲームボード(4つ折り)、マニュアルが乗ります。なんてピッタリした収納なんだ! さすがボードゲームの世界最先端をいくドイツゲーム、素晴らしい出来栄えです!! これが、ボードゲームの世界標準だッ!!

さらに素晴らしいことに、この箱は、プレイ中には「銀行」として機能します。すなわち、ゲーム中、お金や本を払うときには、プレイヤーがこの箱に、それらを戻します。逆に、受け取るときは、箱から取りだせばよいのです。「そんなの、あたりまえじゃん」と思うかもしれませんが、そうではないのです。私はこの後、「ボードゲームの真の世界標準」がどれほどのレベルなのか、思い知らされることになるのでした…。

★まさか、世界一有名な「テラフォー」がこのレベル!?
次に買ったゲームは「テラフォーミング・マーズ(Terraforming Mars)」です。「火星を地球化する」というSFチックなゲームで、海外ボードゲームサイト「BGG(Board Game Geek)」では、いつも人気上位に位置しています。間違いなく、「世界一有名なボードゲーム」の一角だと思います。
さあ、遊ぶぞ! ところが、威勢よく開けてビックリ! 箱にはなんの仕切りもなく、カードと武骨なキューブが、無造作に入っているだけではありませんか!!

プラスチックでできた、1辺1cmに満たない各色のキューブがたくさん入っています。ポリ袋に分別されていますが、一定数を取り出したり戻したりの扱いは、非常にやりにくいです。仕方なく、箱の中に分別して使いましたが、その扱いにくいこと! これが本当の「世界標準」なのでしょうか。世界一のゲームのはずなのに、その残念さに、楽しい気分が半減してしまいました。悲しい気分になります。(この「テラフォー」は、ゲームボードもひどい仕様でした。)

★「オルレアン」、お前もか! 残念すぎる収納
次に紹介するのが「オルレアン(Orleans;オルリアン、オーリンズ)」です。2015年発売とやや古いですが、BGGでも評判がよい、「定番」のゲームのひとつです。私が購入したのは、2019年に改版された海外版(英語・ドイツ語併記版)です。
覚悟はしていたのですが…。 ドドン! やっぱり、仕切りなしの、なんの工夫もない箱でした。残念!!

このゲームの特性上、細かなタイルが山ほどあります。いったいどうするんだ、この収納は? ポリ袋がたくさん入っていましたが、まさか、これらに分別して入れろというわけではあるまいな。袋に小さなコマを入れたり出したり、ただでさえ面倒なセットアップが、どうしようもない苦行になってしまうではないか!! …いやほんと、実際ムリですよ、これは。このままでは、遊ぶまでのハードルが度を超えて高すぎて、「タンスにしまいっぱなし」のゲームになってしまいます。

★大聖堂で見た、ひとすじの光
ボードゲームの「真の世界標準」に打ちひしがれ、倒れそうになった私。しかし、諦めなくて良いことを教えてくれたゲームがありました。ステンドグラス職人をテーマにした「サグラダ(Sagrada)」です。

素晴らしい、仕切りが付いています!! 素晴らしいアイデアと内容ゲームに、さらに収納のしやすさという価値を加えて、ユーザーにさらに高い満足を提供する。これこそが、優れたボードゲームのあるべき姿ではないでしょうか。

★100均タッパーでパーツを小分け整理!
…というわけで、改善提案です。100円ショップで食品用タッパーを、たくさん買ってきました。まずは、テラフォーミングマーズのコマやタイルを、種類別に分けました。

ボードもピッタリと収まりました。これで、片付け&セットアップのストレスから、解放されそうです。

嬉しいことに、これらのタッパーは、ゲーム中はそのまま「サプライ」として使えます。サプライとはボードゲームの専門用語で、人生ゲームでいうところの「銀行」です。つまり、共通で使うお金や物品などの置き場です。テラフォーでは「資源」と呼ばれる立方体コマのやりとりが多いので、サプライをプレイヤーの近くに置くと、スムーズなゲームが可能です。

テラフォーがうまくいったので、オルレアンも同様に、タッパー収納です。オルレアンの箱は、テラフォーよりも幅が狭いので、スペースが限られています。大きいタッパーの中に小さいタッパーを入れて、スペース節約を実現しました。

見事、「あつらえたみたいにピッタリ!」です(from 小公女セーラ)。タッパーを置いて残ったスペースに、バッグ(黒い袋)がうまく収まりました。タッパーの中は、キツキツですけれども。

セットアップのときも、タイルの種類別に準備ができて、かなりラクチンになりました。欲を言えば、このワーカーチップを色別に分けたいところですが、箱サイズの都合から、難しそうです。

ついでにサクラダの小さいコマも、タッパーに入れました。ポリ袋に入れていたのですが、口が小さくて出し入れが面倒でした。タッパーならば、フタを開けて、必要な数だけ簡単に取り出せるので、手間を減らせます。本格ボードゲームには、いつも「面倒くささ」が併存します。そのハードルを下げて、存分に楽しむには、あちこちにある「小さな手間」を、地味につぶしていくことが必要です。

細かなパーツを分別整理するだけなら、仕切り付きの便利な箱(釣り具箱、工具箱など)が売っていそうです。あるいは、一部の部品を箱の外に出して、別に管理したほうが便利かもしれません。しかしそれでも、「買ってきたままの元箱」の限られたスペースにうまく収めることが、私にとっては重要です。なぜなら、我が家はそれほど広くなく、収納スペースが限られているからです。また、「元箱」を使うことで、ゲームの雰囲気をいっそう楽しめると思います。
最近の「連続ボードゲーム購入事件」に対応すべく、ボードゲーム置き場を確保したのですが、すぐにいっぱいになりそうです…。

★まとめ:自前収納で快適ボードゲーム!
多数の部品を持つ、本格ボードゲームの収納を改善すべく、自前でタッパーを準備しました。メリット・デメリットを書きます。
◎メリット
・分別されていると、セットアップの準備が簡単にできる。
・元箱の中にピッタリ納まれば、余計な収納スペースが不要。
・自分専用のカスタマイズ感があり、ひとりでニヤニヤできる。
◎デメリット
・複数のケースを元箱の中に収めるには、試行錯誤が必要。
・場合によっては、ムリヤリ部品を押し込む必要がある。
ただでさえ難しそうなボードゲームのハードルを少しでも下げるためには、小部品の「分別・収納」の工夫が欠かせません。
ベストはもちろん、「アルマ・マータ」のような、素晴らしい純正収納です。こうしたユーザ目線の仕様が、ボードゲームで標準的になることを願います。
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(補足)
前述の「BGG」を見ていると、純正の箱の「仕切り」には、賛否があるようです。否定的な意見としては、ボードゲーマーはカードに「スリーブ」という薄い袋を装着して保護する人も少なくない。そして、スリーブに付けるとカードがひと回り大きくなって、純正の収納では不便である、というものです。しかし、気に食わなければ仕切りを捨てればよいわけで(実際捨てている人もいる)、本質的な理由とは思えません。
そしてまた、適切な収納方法を自分で考えて実装するのも、ボードゲーム・マニアの楽しみになっているようです。BGGを見ると、「自前で収納を作ったぜ、すげーだろ」的な話題が少なくなくありません(この記事もそうですし)。ボードゲームの楽しみも、人それぞれです。
★「コンポーネント」が充実した本格ボードゲームで遊ぶ!
「アルマ・マータ(Alma Mater)」の購入をきっかけに、本格的なボードゲームの楽しさをしりました。いわゆる「ドイツゲーム」とも言われるもので、コマやカードなどの物品(専門用語で「コンポーネント」という)を使って遊びます。これらのコンポーネントは、そのゲームのテーマに沿った、凝ったつくりになっています。プレイ時間はゲームによりますが、「アルマ・マータ」では3~4時間ほどかかります。このように長時間を要するゲームを、これまた専門用語で「重量級ボードゲーム」と呼ぶそうです。

「アルマ・マータ」のコンポーネントの一例です。木製の人型コマ、カラフルなプラスチックの本、しっかりした厚紙でできたタイルなど、手が込んだつくりです。見ているだけで、これらを使ってどんなゲームができるのか、ワクワクしてきます。


このアルマ・マータの素晴らしいところのひとつが、ケース(箱)です。ケースに仕切りが付いていて、物品をきっちりと、分別して収納できるのです。この種の(使用物品が多種類・多数の)ゲームでは、ゲームを開始するときに、多数のカードやタイルをゲームボードに設置したり、物品をプレイヤーに配る「セットアップ」という儀式があります(初めてだと20~30分かかることもある)。こうやって分別されていると、このセットアップが大幅に簡単になります。ゲームを始めるためのハードルが、グンと下がると思います(なんせ3~4時間かかりますから、少しでもスムーズに入れるようにする工夫が必要なのです)。

小さなパーツの上には、プレイヤーボードが乗り、さらに大きなゲームボード(4つ折り)、マニュアルが乗ります。なんてピッタリした収納なんだ! さすがボードゲームの世界最先端をいくドイツゲーム、素晴らしい出来栄えです!! これが、ボードゲームの世界標準だッ!!


さらに素晴らしいことに、この箱は、プレイ中には「銀行」として機能します。すなわち、ゲーム中、お金や本を払うときには、プレイヤーがこの箱に、それらを戻します。逆に、受け取るときは、箱から取りだせばよいのです。「そんなの、あたりまえじゃん」と思うかもしれませんが、そうではないのです。私はこの後、「ボードゲームの真の世界標準」がどれほどのレベルなのか、思い知らされることになるのでした…。

★まさか、世界一有名な「テラフォー」がこのレベル!?
次に買ったゲームは「テラフォーミング・マーズ(Terraforming Mars)」です。「火星を地球化する」というSFチックなゲームで、海外ボードゲームサイト「BGG(Board Game Geek)」では、いつも人気上位に位置しています。間違いなく、「世界一有名なボードゲーム」の一角だと思います。

さあ、遊ぶぞ! ところが、威勢よく開けてビックリ! 箱にはなんの仕切りもなく、カードと武骨なキューブが、無造作に入っているだけではありませんか!!

プラスチックでできた、1辺1cmに満たない各色のキューブがたくさん入っています。ポリ袋に分別されていますが、一定数を取り出したり戻したりの扱いは、非常にやりにくいです。仕方なく、箱の中に分別して使いましたが、その扱いにくいこと! これが本当の「世界標準」なのでしょうか。世界一のゲームのはずなのに、その残念さに、楽しい気分が半減してしまいました。悲しい気分になります。(この「テラフォー」は、ゲームボードもひどい仕様でした。)


★「オルレアン」、お前もか! 残念すぎる収納
次に紹介するのが「オルレアン(Orleans;オルリアン、オーリンズ)」です。2015年発売とやや古いですが、BGGでも評判がよい、「定番」のゲームのひとつです。私が購入したのは、2019年に改版された海外版(英語・ドイツ語併記版)です。

覚悟はしていたのですが…。 ドドン! やっぱり、仕切りなしの、なんの工夫もない箱でした。残念!!

このゲームの特性上、細かなタイルが山ほどあります。いったいどうするんだ、この収納は? ポリ袋がたくさん入っていましたが、まさか、これらに分別して入れろというわけではあるまいな。袋に小さなコマを入れたり出したり、ただでさえ面倒なセットアップが、どうしようもない苦行になってしまうではないか!! …いやほんと、実際ムリですよ、これは。このままでは、遊ぶまでのハードルが度を超えて高すぎて、「タンスにしまいっぱなし」のゲームになってしまいます。


★大聖堂で見た、ひとすじの光
ボードゲームの「真の世界標準」に打ちひしがれ、倒れそうになった私。しかし、諦めなくて良いことを教えてくれたゲームがありました。ステンドグラス職人をテーマにした「サグラダ(Sagrada)」です。

素晴らしい、仕切りが付いています!! 素晴らしいアイデアと内容ゲームに、さらに収納のしやすさという価値を加えて、ユーザーにさらに高い満足を提供する。これこそが、優れたボードゲームのあるべき姿ではないでしょうか。


★100均タッパーでパーツを小分け整理!
…というわけで、改善提案です。100円ショップで食品用タッパーを、たくさん買ってきました。まずは、テラフォーミングマーズのコマやタイルを、種類別に分けました。

ボードもピッタリと収まりました。これで、片付け&セットアップのストレスから、解放されそうです。

嬉しいことに、これらのタッパーは、ゲーム中はそのまま「サプライ」として使えます。サプライとはボードゲームの専門用語で、人生ゲームでいうところの「銀行」です。つまり、共通で使うお金や物品などの置き場です。テラフォーでは「資源」と呼ばれる立方体コマのやりとりが多いので、サプライをプレイヤーの近くに置くと、スムーズなゲームが可能です。

テラフォーがうまくいったので、オルレアンも同様に、タッパー収納です。オルレアンの箱は、テラフォーよりも幅が狭いので、スペースが限られています。大きいタッパーの中に小さいタッパーを入れて、スペース節約を実現しました。

見事、「あつらえたみたいにピッタリ!」です(from 小公女セーラ)。タッパーを置いて残ったスペースに、バッグ(黒い袋)がうまく収まりました。タッパーの中は、キツキツですけれども。

セットアップのときも、タイルの種類別に準備ができて、かなりラクチンになりました。欲を言えば、このワーカーチップを色別に分けたいところですが、箱サイズの都合から、難しそうです。

ついでにサクラダの小さいコマも、タッパーに入れました。ポリ袋に入れていたのですが、口が小さくて出し入れが面倒でした。タッパーならば、フタを開けて、必要な数だけ簡単に取り出せるので、手間を減らせます。本格ボードゲームには、いつも「面倒くささ」が併存します。そのハードルを下げて、存分に楽しむには、あちこちにある「小さな手間」を、地味につぶしていくことが必要です。

細かなパーツを分別整理するだけなら、仕切り付きの便利な箱(釣り具箱、工具箱など)が売っていそうです。あるいは、一部の部品を箱の外に出して、別に管理したほうが便利かもしれません。しかしそれでも、「買ってきたままの元箱」の限られたスペースにうまく収めることが、私にとっては重要です。なぜなら、我が家はそれほど広くなく、収納スペースが限られているからです。また、「元箱」を使うことで、ゲームの雰囲気をいっそう楽しめると思います。
最近の「連続ボードゲーム購入事件」に対応すべく、ボードゲーム置き場を確保したのですが、すぐにいっぱいになりそうです…。

★まとめ:自前収納で快適ボードゲーム!
多数の部品を持つ、本格ボードゲームの収納を改善すべく、自前でタッパーを準備しました。メリット・デメリットを書きます。
◎メリット
・分別されていると、セットアップの準備が簡単にできる。
・元箱の中にピッタリ納まれば、余計な収納スペースが不要。
・自分専用のカスタマイズ感があり、ひとりでニヤニヤできる。
◎デメリット
・複数のケースを元箱の中に収めるには、試行錯誤が必要。
・場合によっては、ムリヤリ部品を押し込む必要がある。
ただでさえ難しそうなボードゲームのハードルを少しでも下げるためには、小部品の「分別・収納」の工夫が欠かせません。
ベストはもちろん、「アルマ・マータ」のような、素晴らしい純正収納です。こうしたユーザ目線の仕様が、ボードゲームで標準的になることを願います。
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(補足)
前述の「BGG」を見ていると、純正の箱の「仕切り」には、賛否があるようです。否定的な意見としては、ボードゲーマーはカードに「スリーブ」という薄い袋を装着して保護する人も少なくない。そして、スリーブに付けるとカードがひと回り大きくなって、純正の収納では不便である、というものです。しかし、気に食わなければ仕切りを捨てればよいわけで(実際捨てている人もいる)、本質的な理由とは思えません。
そしてまた、適切な収納方法を自分で考えて実装するのも、ボードゲーム・マニアの楽しみになっているようです。BGGを見ると、「自前で収納を作ったぜ、すげーだろ」的な話題が少なくなくありません(この記事もそうですし)。ボードゲームの楽しみも、人それぞれです。
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